ヒラメとカレイってどう見分けたらいいんだっけ?
向きで覚えてた気がするんだけど、右左どっちがどっち?
味も違うのかな...
確かにどっちか分からなくなってしまいますよね!
向き以外で判断する方法もありますので、本記事で見分け方について詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- ヒラメとカレイの見分け方
- ヒラメとカレイの味の違い
もくじ
ヒラメとカレイの違いと見分け方は?
ヒラメもカレイも同じ亜目
見分け方の紹介の前に、最初にヒラメとカレイの生態の分類から紹介していきます☆
まずはヒラメです。
ヒラメの分類は、「カレイ目カレイ亜目ヒラメ科ヒラメ属」となります。
一方のカレイは、「カレイ目カレイ亜目カレイ科」という生態の分類になります。
そうなんです!
どちらも亜目は同じ分類になり、辿っていけばヒラメもカレイの仲間という事になります。
そもそも「ヒラメ」は東京の近郊で使われていた呼び名で、カレイが大型になった魚というのが古くからある考えで、呼び名もそれにちなんでいます。
なので地方ではヒラメを、「オオガレイ」や「オオクチカレイ」というように「カレイ」と名の付く呼び方をする場合もあります。
向きで判断する方法~左ヒラメの右カレイ!~
これは多くの人が一度は耳にした事がある見分け方ではないかと思います。
前を向けて左側に両目があるのがヒラメ、右側に両目があるのがカレイという見分け方ですね。
解りにくい場合、背中を手前にして尻尾を持ってぶら下げた時に目が左に寄っているのがヒラメ、右に寄っているのがカレイと見分けると解りやすいです。
左ヒラメの右カレイの考えは日本だけ!?
日本で扱うヒラメの目は左側で、カレイの目は右側ですが、実は絶対ではありません!
突然変異などの理由もあり例外もあります☆
例えば、同じカレイでもヌマガレイは目が左側にありますし、ボウズガレイの仲間に至っては、同じくらいの割合で目が左か右に偏るそうです。
日本は左ヒラメの右カレイですが、アラスカやアメリカでは、半数以上の割合でカレイの目が左側に偏っていたりするそうです^^
なので、目の向きだけでヒラメとカレイを区別するのは、非常に難しいです☆
因みに、どちらに目が寄るかは遺伝子レベルで決まっているらしいですが、まだまだ謎めいている部分が多く、詳細は不明確だそうです。
口で判別する方法
目でヒラメとカレイを見分ける方法の他に、口で見分ける方法もあります☆
ヒラメもカレイも同じように海底で生活していますが、性格もエサにする生き物も違います。
それが顕著なのが口や歯の形!
口は例外なくどの種類も同じなので、目で判別するよりは解りやすいし正確です。
ヒラメは口も歯も大きい
ヒラメは、口が大きく、歯も鋭く牙のように尖っています。
ヒラメは肉食性の魚で、成魚になる前は小魚や甲殻類、貝類が主ですが、成長してからは小魚が主食となります。
また、積極的に動いて小魚を捕食するので、性格も獰猛です。
口も大きく裂けていて、顔付きもちょっと怖いです☆
釣りでヒラメを釣り上げる時はイワシを使うそうですが、あんな感じの小魚や甲殻類を食べるとなると、小さな口や歯では当然食べにくいですね^^
カレイは口も歯も小さい
カレイは、口が小さく、歯もノコギリのように細かくギザギザしていて小さいという特徴があります。
おちょぼ口をイメージしてもらえれば解りやすいです☆
カレイも肉食性の魚でヒラメと同様に小魚も食べますが、ヒトデやエビやカニのような海底の無脊椎動物、砂の中の小さな虫が主食となります。
性格もカレイに比べて、大人しめです。
因みに、カレイを釣り上げる時のエサはヒラメのように小魚ではなく、ワームを使うそうです☆
そうなると、ヒラメのように口や歯が小さくても不都合な事はないですね^^
ヒラメとカレイの味や料理の違いは?
ヒラメとカレイの味の違いは?
ヒラメはクセがなく、身の甘みや旨みが強く感じられる、さっぱりした味です。
一方カレイは、白身魚らしい、全体的にあっさりと淡白ですが、味にコクがあります。
ヒラメ:刺し身やお寿司などの日本料理に使われる
ヒラメと聞くと、どんな食べ方を想像しますか?
煮付けたり焼いたり揚げたりと様々ありますが、ヒラメの縁側など刺し身やお寿司、しゃぶしゃぶなどのようにあまり加熱せずに食べる場合が多いです☆
ひらめの味は?
ヒラメは脂がそれなりに乗っていますが、全体的に身が締まっています。
縁側の身はコリコリしていて、身の締まりが顕著ですよね^^
死後硬直中は歯ごたえもとても良いです。
基本的には海底で大人しくしているヒラメですが、捉えた小魚を主食にする立派な肉食魚なので、実は動く量も多く、脂がたくさん乗っていても全体的に身は筋肉質です。
しかし、筋肉質な身には欠点があります。
それは、加熱したら硬くなる事です。
長い時間加熱すると、身の筋繊維が縮んで硬くなり、食べにくくなります。
西洋料理でもヒラメは人気ですが、カルパッチョやマリネなど、生の食べ方が多いです^^
煮ても焼いても揚げても美味しく食べられますが、しっかり身が締まってさっぱりした味わいのヒラメは、本来の味や食感を楽しめる食べ方がおすすめです。
カレイ:煮付けやフライなどの大衆料理
一方、カレイはどんな食べ方を想像しますか?
カレイの縁側というのもありますが、煮付けやフライなどのように基本的に加熱して食べる場合が多いですよね^^
老人ホームの厨房で働いてますが、カレイの唐揚げはよく見かけますし、利用者様にも施設の職員の方にも人気で注文が殺到しています☆
カレイも肉食魚ですが、ヒラメと違って無脊椎動物や砂の中に居る虫をメインに食べるので、海底でじっとしている方が多いです。
動く量が少なく、筋肉も少ないので、加熱しても身が縮まず、ふっくらと柔らかいです。
また、加熱する事でカレイの身から脂が出て、コクのある旨みや甘みが引き出されます。
高級魚の理由は顔の向き
日本料理のしきたり
白身魚としては高級魚の部類に入るヒラメとカレイ。
しかし、その中でもヒラメは高級魚、カレイは大衆魚と暗にランクがついています。
具体的に言うと、ヒラメが1切れ辺り400円〜500円程度、カレイが1切れ辺り300円程度というのが大まかな相場で、やっぱりヒラメの方が高めになっています☆
ヒラメがカレイより高級扱いされる理由の1つとして、日本料理のしきたりが関係しています☆
日本料理で魚を出す時、基本的に頭を左向きにして出します。
ヒラメはその決まりに沿って出せますが、頭が右向きのカレイはしきたりに反しています。
無理に頭を左に向けると裏返しになって、料理としては少し不格好になってしまいます☆
なので、カレイを出す時は、のしを付けたり目の位置に赤い南天の実を添えて無礼を侘びます。
日本料理のしきたりに反していて扱いにくい理由で、同じ高級魚でもカレイの方は大衆魚と安くランク付けされるようになりました。
旬の時期も関係している
ヒラメが高級魚と言われる理由はもう1つあります。
それは旬の時期です☆
地域によって少しズレますがヒラメの旬は、北海道では秋から初夏までで本州では秋から冬までと、時期が限られていて、漁獲量も少ないです。
そんなヒラメに対して、カレイは違います。
同じカレイでも、マコガレイは7月~10月、マガレイは12月~2月、イシガレイは7月~12月までと種類によって旬の時期が違うので、1年中旬がありヒラメよりも漁獲量が多めです。
しかし、現在はヒラメの養殖も盛んになってきているので、年中食べる事はできますし値段も盛んになる前よりは安くなっています☆
味も天然のヒラメと遜色はありません!
どちらも高級魚である事実は同じ!
旬の時期が長くて漁獲量も多く日本料理では扱いにくいカレイは、ヒラメと比べると大衆魚扱いされますが、安い訳ではありません!
カレイは種類によって値段が大きく違い、例えばホシガレイは1切れ辺り約1000円とヒラメよりも高値で取引されている場合もあります☆
なので、一概にヒラメは高級魚、カレイは大衆魚と括るのは難しいです。
どちらも高級魚には変わりありません☆
ヒラメやカレイの豆知識
生まれたときは寄り目じゃない?
ヒラメもカレイも左や右に目が偏っていますが、孵化してから10日くらいは普通の魚と同じ形をしています☆
なので、目も体の両側にありますし、背を上に向けて腹を下にして泳ぎ回っています。
寄り目になる理由は?
ヒラメやカレイの目が寄り目となっている明確な理由は、実は解っていません!
深海魚の生態と同じように、海水魚の生態もまだまだ謎が多いです^^
脳がねじれた方向に目が世たりするなど、理由は諸説ありますが、有力なのは進化の過程で寄り目になったのではないかという説です。
実は、寄り目には下のような利点があります。
至近距離で獲物を捕らえられる
両目の位置が近いと、立体に見える視野の範囲が広くて近くが見やすく、獲物との距離感が測りやすいです☆
獲物との距離感が解れば、近付きやすくもなりますよね。
ヒラメやカレイはこの寄り目で距離感を素早く測り、素早く獲物を捕らえています。
獲物を確認しやすい
ヒラメやカレイは、海底に体を着けて生活し、捕食しています。
目が横についてると、周囲を確認する時にどうしても動かないといけないので、隠れられなくなります。
しかし、寄り目だと隠れたまま獲物を確認して危険を察知する事ができます☆
寄り目になる過程は?
孵化してから15日〜20日を超えた辺りで徐々に目が移動します^^
更に日数が経って体長が10㎝を超え、約1ヶ月後にはどちらかに目が完全に移動し、浮き袋が無くなって海底の生活に適した形になります☆
成長は速いです!
ヒラメとカレイに関するよくある質問
ヒラメとカレイはどっちが高級魚?
答えはヒラメです!
令和2年の漁獲量を見てみましょう。
- カレイ:40,000トン
- ヒラメ:6,300トン
この数字を見れば答えは丸わかりですね!
カレイの方がヒラメより6倍ほどの漁獲量があります。
えんがわってカレイとヒラメどっち?
カレイの方が一般的にえんがわとして使われています。
ですが、実はどちらも使われています!
えんがわとはヒラメやカレイの背びれ・尾びれの付け根部分のことですが、ヒラメのえんがわは希少です。
そのため大衆居酒屋や、回転寿司など、安くえんがわがうらている場合、カレイを使っていることが多いのです。
じゃあ、スシローのえんがわは何の魚?
調べてみたところ、やはりカレイのえんがわとのことでした!
一方、ヒラメのえんがわを使うと値段が高くなるため、回らないお寿司屋さんや、料理にこだわっている居酒屋などではヒラメを使っていることがあります。
その場合、「ヒラメのえんがわ」とメニューに書いてあることもしばしばです。
【まとめ】ヒラメとカレイは見た目も味も違う!
ヒラメとカレイの見分け方や、味の違いについて解説しました。
ヒラメの方が漁獲量は圧倒的に少ないので、ヒラメの方が高級魚と扱われているようですね!
よく行く居酒屋で食べているえんがわは、きっとカレイのことが大半でしょう。
もしヒラメを使った料理があればぜひ違いを確かめたいですね!
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