旬の時期になると見かけるカマスだけど、私でも上手にさばけるかな?
刺身で食べるだけだと飽きるし、いろいろなレシピがあると嬉しいな。
とはいえ暑い季節は寄生虫も心配だし……。
カマスの刺身はコツを抑えれば簡単にさばけるよ。
旬のカマスを美味しく食べる、おすすめのアレンジレシピを確認していこう!
寄生虫の危険を避け、安全に食べるための保存方法もご紹介するよ。
この記事でわかること
- カマスの刺身の上手なさばき方(三枚おろし・皮の切り方・湯引き方法など)
- カマスの旬や味、おすすめのアレンジレシピについて
- 安全な保存方法と寄生虫の危険性
もくじ
カマスの刺身のさばき方は?三枚おろしや皮の切り方・湯引き方法も知りたい!
細長い形状が特徴のカマスは、サンマやサバなどのポピュラーな魚に比べるとなかなか見かけないレアな魚の一種です。
そのためスーパー等で見かけると、つい気になってしまいますよね。
とはいえ細く引き締まった身は一見さばきにくそうで、美味しく食べられるのか不安だという方も多いのではないでしょうか。
旬の魚をもっとも美味しく味わうためには、まず刺身にしてぷりぷりの身を味わうのがおすすめです。
まずはカマスを刺身でいただくためのさばき方について、三枚おろしや皮の切り方、湯引き方法などに分けてご紹介します。
カマスの刺身の捌き方:下処理
釣り上げたままのカマスを手に入れたら、まずはうろこを取ってさばくための準備をしていきましょう。
背中や腹には鋭いヒレがあり、手が傷ついてしまう可能性があります。
慣れていない場合は軍手を使い、滑らないように注意しながら行ってくださいね。
うろこを取る際は、尾ヒレ側から頭に向かって逆立てるようにこすります。
包丁を使っても良いですが、頻繁に魚をさばく場合は「うろこ取り」を準備しておくのもおすすめです。
細かなヒレの間などに取り切れないうろこが溜まりやすいため、身をしっかり押さえて取り切りましょう。
カマスの刺身の捌き方:三枚おろしと骨取り
続いて、胸ビレと腹ビレをつないだラインに包丁を入れ、胴体と頭を切り離します。
カマスは骨が柔らかいため、力の弱い方でも比較的簡単に断ち切れるでしょう。
その後肛門付近から頭に向かって包丁を入れ、お腹を開いて内臓を出していきます。
要らない歯ブラシなどを準備し、残った内臓の部分をかき出すと綺麗になりますよ。
続いて、背ビレに沿うように包丁を入れ、背骨のゴリゴリとした感触を感じながら切り開きます。
内臓を出した際に切らなかった部分の腹側も切った後、最後に尾ビレの付け根から頭に向かって一直線に包丁を引きましょう。
背骨が残り、上側の身が綺麗に取れたのを確認したら、同じ要領で反対側も切り取っていきます。
このように、身2枚と骨やヒレの部分が綺麗に分かれたら、三枚おろしのできあがりです。
残った小骨はピンセットなどで取り、口に入れたときに当たらないよう処理しておきましょう。
カマスの刺身の捌き方:湯引きのやり方
新鮮なカマスの下処理が終わったら、湯引きにして皮ごといただくのがおすすめです。
まずは身の部分に軽く塩を振ってキッチンペーパーをのせ、2~3時間ほど冷蔵庫で寝かせましょう。
余分な水分や臭みが抜け、味わい深い刺身になりますよ。
寝かせたカマスはまな板の上に並べて新しいキッチンペーパーをのせ、上から熱湯をかけます。
その後すぐに氷水でしめると、くるんと縮まった身が印象的ですね。
後は水分を拭き取り、一口大に切って盛り付ければ完成です。
カマスの刺身の捌き方:皮の切り方
三枚おろしにしたカマスの身は、頭側の皮が簡単にめくれます。
親指で押さえながら刃を当て、身を引くように動かすと皮が綺麗に引けますよ。
口当たりを重視したい方、またお子さんや高齢の方が食べる場合は皮をひいておくのがおすすめです。
カマスの刺身の味は美味しい?まずいカマスの見分け方も
カマスの刺身を綺麗にさばく方法をご紹介しましたが、そもそもカマスはどんな味がするのでしょうか。
初めて食べる方にも分かりやすく、カマスの刺身の美味しさや栄養価についてご紹介しましょう。
カマスの刺身はどんな味?
カマスは白身魚の一種であるため、基本的にはサッパリとしていて食べやすい魚です。
しかし、通の食べ方としておすすめなのは「皮付きの刺身」。
風味と旨味がつまっており、また一風変わった味わいを楽しめますよ。
初めてカマスの刺身にチャレンジする方は、ぜひ皮なしと皮付きの両方を試してみてくださいね。
カマスの刺身にはどんな栄養がある?カロリーは?
カマスのカロリーは、100gあたり148kcalです。
可食部で換算すると、1匹114gほどで169kcalとなりますね。
同じく人気のサンマは100g310kcalほどと倍以上もあるため、カマスのヘルシーさが伝わるのではないでしょうか。
また、カマスにはビタミン類をはじめとする栄養素が豊富に含まれています。
- ビタミンB6
- ビタミンB12
- ビタミンD
- マグネシウム
- リン
エネルギーの代謝やDNAの生成など、生きる上で欠かせない成分であるビタミンB群。
また、骨を丈夫に保つビタミンDやリン、神経系を正常に保つマグネシウムもしっかり摂取できますよ。
旬の時期はいつまで?美味しいカマス・まずいカマスの見分け方も
カマスの旬
魚を美味しく食べるためには、まずそれぞれの「旬」を知っておかなければなりません。
- ヤマトカマス:6~8月
- アカカマス:9~12月
大きく2種類に分けられるカマスですが、初夏を過ぎてから冬まで幅広く味わえることが分かりますね。
ヤマトカマスは別名「ミズカマス」とも呼ばれ、アカカマスに比べ水分が豊富で干物向きといわれています。
そして冬にかけて脂がのり、こってりとした味わいが特徴のアカカマス。
こちらは刺身にしても良し、焼いて食べても良しと幅広く楽しめる魚といえます。
初めてカマスを食べてみる……という方は、アカカマスからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
美味しいカマスの見分け方
どんな魚にも共通するのが、「目が澄んでいるかどうか」という点です。
目の色が濁っていたり、黄色っぽくなっていたりする魚は鮮度が落ちてきている証拠。
水揚げ後時間が経つと刺身には向かないため、鮮度の落ちたカマスは焼いたり干物にしたりして食べましょう。
- 腹がしっかり膨らんでいるもの(内臓が溶けていないもの)
- うろこがしっかりついているもの
- エラが綺麗な赤色をしているもの(白みがかっていないもの)
カマスは日本の中でも南側の海で多く水揚げされる魚です。
獲れたて新鮮なカマスを味わいたい場合は、鹿児島県や長崎県などの九州方面にお出かけしてみてくださいね。
カマスのアレンジレシピをご紹介!人気の食べ方は?
シンプルに刺身で食べるだけでなく、工夫次第でさまざまなレシピを楽しめるのがカマスの魅力です。
その中でも特に人気の食べ方を4種類ご紹介しましょう。
カマスの炙り(焼き霜造り)
材料
- カマス(三枚おろしにしたもの):適量
- ガスバーナー
- 氷水
- クッキングペーパー
- 三枚おろしにしたカマスを人数分用意する。
- 皮目をガスバーナーで炙り、焦げめをつける。
- 時間をおかず、すぐに氷水でしめる。
- クッキングペーパーで水気を拭き取り、一口大に切って盛り付ける。
「焼霜造り」とも呼ばれるカマスの炙りは、皮独特の臭みが苦手だという方にもおすすめの食べ方です。
香ばしさがプラスされ、普段の刺身よりも一風変わった味わいを楽しめるでしょう。
バーナーで炙る前に氷水を用意し、すぐにしめるのがポイントです。
カマスの塩焼き(ポン酢・薬味を添えて)
材料
- カマス:人数分
- 塩:適量
- みりん・料理酒:同量
- ポン酢:適量
- 薬味(大根おろしなど):適量
- カマスはうろこと内臓を取り、腹を綺麗に洗っておく。
- 頭から尾までまんべんなく塩をまぶし、30分ほど置いて臭みをとる。
- 塩を流して水気を切る。
- みりん、料理酒を1:1になるように混ぜ、ハケなどを使ってまんべんなく塗る。
- 全身にもう一度塩をまぶし、火が通るまで焼く。
細かいところまでうろこをしっかり取り、口当たりに気を付けるのがポイントです。
そのまま焼くと臭みが出る場合があるため、塩を振って30分ほど置くのを忘れないようにしましょう。
最後にまぶす塩は少し多めに、中までしっかり味が染みるよう工夫してみてくださいね。
カマスの熟成干物
材料
- カマス:人数分
- 塩水:適量
- カマスの頭は切り落とさず、エラから背に向かって切り込みを入れる。
- 背中に刃を入れ、中骨に沿って尾まで切り開く。
- 残った血や内臓を綺麗に取り、8~10%ほどの濃度に調整した塩水に30分つける。
- 塩水から出して水気を切り、冷蔵庫で半日休ませる。
- 風通しの良い場所で半日ほど干す。
ヤマトカマスに向いている食べ方としておすすめなのが干物です。
冷蔵庫でしっかり熟成させるため、半日干しただけでも美味しい干物が味わえますよ。
臭みを感じにくく、子どもでも食べやすいのがポイントです。
カマスの漬け焼き(幽庵焼き)
材料
- カマス(三枚おろしにしたもの):人数分
- 【A】醤油
- 【A】みりん
- 【A】料理酒
- ゆず(レモンでも可):適量
- 【A】の調味料を同量ずつ混ぜ合わせた漬けダレに、輪切りのゆずを入れて香りをつける。
- 三枚おろしにしたカマスを20分ほど漬ける。
- 水気を切ったカマスをグリルで焼きながら、時折漬けダレを塗る。
- 焼きあがったカマスを盛り付け、ゆずの輪切りを添える。
ゆずが手に入りにくい場合は、レモンでも美味しい幽庵焼きができます。
様子を見ながら3回ほど漬けダレを塗り、焦げ目がつくまで丁寧に焼きましょう。
食事のメインとしてはもちろん、お酒のアテや接待料理としても活躍してくれますよ。
カマスの刺身の安全な保存方法とは?寄生虫の危険はある?
三枚おろしにした後のカマスは、できるだけ早く食べきるのが大切です。
「熟成させると美味しくなる」といわれる魚ですが、保存方法を間違えてしまうと途端に鮮度が落ちてしまうため注意しましょう。
また、魚を食べる際に注意したいのが「寄生虫」。
どんな寄生虫がいるのか、また食べるとどうなってしまうのかについても確認しておきましょう。
カマスの刺身は鮮度が命!アニサキスなどの寄生虫に注意
カマスを食べるときにもっとも注意したい寄生虫が「アニサキス」です。
名前だけならば知っている……という方も多いですが、まずはアニサキスがどんな寄生虫なのか知っておきましょう。
- 長くても3cmほど、太さは1mmくらいとかなり小さい
- 白くて紐のように見える
- サバやサンマ、アジ、イカなど幅広い魚介類に寄生する
- 生きたまま食べると、胃痛、腹痛、吐き気などを引き起こす
- 加熱したり、細かく刻んだりすれば食べても問題ない
一般的に、アニサキスは加熱すれば食べても症状が出ることはありません。
しかし刺身で食べる場合は、アニサキスをそのまま口に入れてしまう可能性が高くなります。
食べる前に断面を見てアニサキスをチェックし、そのまま食べてしまわないよう注意してくださいね。
カマスの刺身は何日日持ちする?冷凍保存の方法も
元々カマスは、主に干物や焼き物として食べられていました。
一夜干しの場合はそれほど日持ちしませんが、一週間ほどしっかり干したものは冷凍すればさらに保存期間を延ばすことができます。
数日のうちに食べる……という場合は冷蔵で良いですが、そうでない場合は冷凍保存がおすすめですよ。
- 身を隙間なくラップで包み、空気を抜く。
- 1ヶ月を目安に食べきる。
- 解凍するときは氷水に漬けながらゆっくりと行う。
カマスを丸ごと保存する場合も、切り身として保存する場合も、上記のポイントをおさえておくことが大切です。
干物や焼いた状態のカマスも、空気を抜いて冷凍保存しておきましょう。
他にもペーストにしたカマスを冷凍保存し、鍋に入れて食べるのもおすすめ。
小麦粉や卵、パン粉をつけた状態で冷凍しておけば、そのまま揚げるだけで美味しいフライの出来上がりです。
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ぜひ新鮮なうちに、刺身や焼き物にして食べてみてくださいね。
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【まとめ】カマスの刺身は簡単にさばける!鮮度に注意して豊富なアレンジを楽しもう
カマスの刺身は、コツを抑えれば初心者でも簡単にさばけます。
よく切れる包丁を用意して、うろこを取るところからチャレンジしてみてくださいね。
基本の処理方法をおさえておけば、カマスだけでなくさまざまな魚に活用できますよ。
アニサキスをはじめとする寄生虫に気を付け、食べきれない分は冷凍保存で長くカマスを楽しむのもおすすめです。