数の子って魚卵だしプリン体多いよね...
痛風になりたくないし控えておこうかな。
確かに、魚卵はプリン体が多いイメージがあるので、食べ過ぎないでおく方も多いですよね。
しかし、数の子に限って言えばそうでもないかもしれません!
本記事で詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- 数の子を食べ過ぎても大丈夫か
- 数の子は1日何本食べても良いのか
- 数の子と他食品のプリン大含有量の比較
もくじ
数の子の食べ過ぎると痛風に?他に危険性は?
おせち料理に欠かせない具材として知られている数の子ですが、うっかり食べ過ぎてしまった際に、どういったことが起こってしまうのかというと・・・
- 痛風
- 高血圧
- 動脈硬化
このような症状が起こってしまう危険性があります。
順に解説すると・・・
プリン体は意外に少ないので痛風もそこまで心配ない
数の子に限らず、魚卵には肉・魚・野菜など食べ物全般に含まれている成分「プリン体」が多く含まれていことから、食べ過ぎると痛風になってしまう危険性があります。
数の子はプリン体が多いですか?
数の子に含まれているプリン体の含有量は100gあたり約22mgと非常に少ないので、おせち料理の具材など普通に食べる分には何の問題も無いんですよ。
ただし、お酒のおつまみとして食べる場合は、数の子よりプリン体が多いとされるビールではなく、できるだけ含有量が少ない焼酎やウイスキーと組み合わせて、摂り過ぎを防ぐようにしましょう。
高血圧
数の子を食べる際はしょうゆに漬けたり、松前漬けにしたりと、何らかの味付けをして食べることが多いので、食べ過ぎてしまうことによって塩分過多となり、結果、高血圧になってしまうリスクがあります。
本来、数の子は塩抜きをしてから食べるので、100gあたりの塩分含有量は約1.2gと決して多くはありません。
ですが、様々な味付けをすることで、知らず知らずのうちに塩分を摂り過ぎてしまうんですよ。
また、おせち料理の味付けも各家庭で異なることを考えれば、やはり食べ過ぎは控えるべきだと言えるでしょう。
動脈硬化
これもご紹介した高血圧と同じく、塩分の摂り過ぎからくる症状のひとつです。
そもそも数の子は適量であれば、数の子に含まれているDHAやEPAが動脈硬化を予防してくれるんですが、やはり度を越えてしまうとこの働きも機能しなくなり、塩分過多となってしまうんですよ。
また、食べ過ぎると塩分と同時にコレステロールも過多になってしまうことで、それらが体内の血管を循環している間に酸化され「酸化コレステロール」となることで、動脈硬化の危険性が高まるという訳です。
動脈硬化は、脳梗塞や心筋梗塞など命に関わる大病を引き起こす可能性が大ですので、日頃から食べ過ぎにはくれぐれも注意するようにして下さいね。
数の子にプリン体はどれだけ含まれている?~比較~
一般的に魚卵にはプリン体が多く含まれているんですが、数の子に含まれているそれは100gにつき約22mg(正確には21.9mg)ほどです。
じゃあ、プリン体の多い食べ物は何ですか?
他の魚卵や、その他食品と比べてみた結果は下記の通り。
食品 | プリン体含有量/100g中 |
---|---|
たらこ | 120 |
明太子 | 159 |
ウニ | 137 |
スルメイカ | 186 |
マグロ | 157 |
生ハム | 138 |
数の子 | 21 |
他の魚卵や、おつまみにぴったりな食品と比べてみると圧倒的に数の子に含まれるプリン体は少ないですね。
つまり、数の子を食べ過ぎたとしても、プリン体過多にはなりづらいということです。
「数の子は確かに美味しいけど、プリン体が多いからちょっと・・・」というようなマイナスイメージを持っている方もいらっしゃるでしょうが、プリン体過多になるほどの数の子を1度に食べるのはほぼ無理なので安心してください!
数の子の適量は1日どれぐらい?
数の子には特に適量というものは定められていないんですが、基本的に味付けの濃い状態のものを食べることが多いので、その点を考慮すると大体5本、50gまでを目安にしておくと良いです。
今こう聞いて「えっ、5本も?そんなに食べて大丈夫なの?」と思った方もいらっしゃるでしょうが、たとえば、お正月に良く食べる中サイズ程度のものであれば、2本程度を一気に食べたとしても何も問題無いんですよ。
というのも、上でご紹介したプリン体含有量を例に取って説明すると、中サイズの数の子1本に含まれているその数値は約20gですので、それを2本一気に食べたとしてもわずか8.8gほどです。
ですので、何も心配する必要はないんです。
それよりも人体にとっては、数の子を食べることによってもたらされるメリットの方がはるかに多いので、あまり神経質にならずに楽しんで食べて下さいね。
数の子を食べ過ぎた場合の対処法
もしも数の子を食べ過ぎてしまっても、数の子のカロリーは1本あたりわずか9kcalととても低いので、焦ることなく15分程度ウォーキングをすればその分のカロリーは問題なく消費することができます。
ただ、一般的におせち料理の具材として数の子を食べる機会が増えるお正月に関しては、「そう悠長に構えている訳にもいかない」という人もいらっしゃると思います。
そういった場合はお正月が終わり次第、食生活を早く通常の日に戻すように努める・消化の良いものや肝臓や胃腸をいたわる食事を心がける・積極的に体を動かすようにするなどの対策を講じることが大切です。
数の子の栄養や効能は?
数の子に含まれている栄養や効能に、どんなものがあるのかというと・・・
- EPA・DHA
- プリン体
- Co(コエンザイム)Q10・ルティン
- アミノ酸・ペプチド
- コレステロール
などがあります。
それぞれ順に解説すると・・・
EPA・DHA
EPAやDHAはどちらも人体では作ることができない栄養素で、高脂血症や動脈硬化を予防したり、アレルギーを改善したり、精神を安定させたりするなどの効果があります。
数の子はこれらの栄養素を多く含んでおり、脂質全体におけるその比率は何とマグロのトロを上回ると言われているんですよ。
また、これらは体内に入ると肝臓で脂肪分解の促進や、コレステロールの合成抑制から来る血液サラサラ効果、そして、皆さんご存知の頭が良くなる(記憶力の向上など)効果など様々な良い効果があるので、「歳を重ねても心身共に若々しくありたい」という人にはぜひぜひオススメの食材です。
プリン体
プリン体は既述したように食べ物全般に含まれている成分で、最終的に尿酸となって排出されるんですが、体内に尿酸が溜まり過ぎてしまうと痛風や腎臓障害を引き起こす可能性があると言われています。
ですが、数の子はその他の魚卵に比べてプリン体の数値が21.9mgと極めて少ないので、余程食べ過ぎない限りはこういった症状が現れることは無いんですよ。
それどころか数の子はある意味とても栄養豊富な食材ですので、尻込みすることなくたくさん食べて下さいね。
Co(コエンザイム)Q10・ルティン
Co(コエンザイム)Q10・ルテインはどちらも抗酸化作用を持つ「抗酸化物質」で、カズノコ油の中にそれぞれCo(コエンザイム)Q10が10.0mg、ルティンが0.64mg含まれていると言われています。
その主な特徴としては、『Co(コエンザイム)Q10』はその学名が「ユビキノン」と呼ばれるビタミン様物質で、心筋梗塞や心不全・狭心症といった心臓の病気のほか、糖尿病や高血圧などに効果があるとされています。
他方、『ルティン』は色素成分のひとつである「カロテノイド」の一種で、紫外線などの刺激から発生する活性酸素の働きから目を保護してくれるので、日中に外で仕事をすることが多いという人は日頃から意識的に数の子を食べるようにすると良いでしょう。
アミノ酸・ペプチド
まず、『アミノ酸』に関してですが、アミノ酸は人体を構成する基になる成分で、人体の約20%を占めていると言われているタンパク質を生成していることで知られ、一方、『ペプチド』は「たんぱく質の消化分解物」と言われており、アミノ酸とたんぱく質の中間の性質を持っていることが特徴です。
そのほか、疲労回復や高血圧予防のほか、インフルエンザなどのウィルスやアレルギーなどに対しても効果があるので「なんか最近疲れやすいし、風邪も引きやすくなったような・・・」という心当たりがある人はぜひ数の子を食べて、これらの成分を身体に取り入れて下さいね。。
コレステロール
そもそもコレステロールには善玉と悪玉の2種類があり、人が体内で細胞膜を作るために必要な要素と言われています。
一般的に、「コレステロール」と聞くと「身体に悪い」という悪のイメージがありますよね。
確かに魚卵類はコレステロールが多いことで知られていますが、数の子のコレステロールは他の物と比べるととても少なく、イクラの約半分なんですよ。
しかも、数の子には上でご紹介した悪玉を減らして善玉の働きを助ける成分「EPA」が含まれていることから、数の子を食べるとコレステロール値が下がるというトリビア(?)もあるんです。
このことから「これまでコレステロール値を気にして数の子を意図的に避けてきた」という人は、これからはぜひそれを解禁し、そのご利益にあやかって下さい。
数の子はなんの卵?
数の子は、春先から初夏にかけて産卵のために北海道沿岸にやってくることから「春告魚(はるつげうお)と呼ばれているニシンの卵(魚卵)です。
ちなみに、ニシンはその昔、あまり聞こえは良くないですが、春先になると水面がキラキラと輝いて見えるほど大量に獲れたことから、それを揶揄して「貧乏人が食べる魚」と言われていたんですよ。
含まれている栄養素はかなり豊富で体に良いだけに、何とも不名誉なことですよね。
ですが現在、数の子の国内の収穫量はごくわずかで、そのほとんどがカナダ・アラスカ(アメリカ)・ロシアなどからの輸入品になっていることから、昔とは違い、国産物はある意味「希少価値が高いレア物」になっていると言えるでしょう。
では次に、数の子がおせち料理に入っている意味と、その名前の由来について個別に書いていきます。
一匹に数の子は何本?
ニシンのお腹に2本入っており、一部結合された状態になっています。
数の子の意味・由来は?
数の子がおせち料理に入っている意味と、名前の由来を解説すると・・・
子孫繁栄・子だくさんの願いを込め
一般的によく知られていることですが、数の子は小さな粒々の卵がたくさん集まってできていることから、子孫繁栄や子だくさんを願いおせち料理に入れられています。
この由来の歴史は非常に古く、なんと室町時代にまで遡ると言われているんですよ。
また、これに関連している説として、ニシンを「二親(両親の意)」とかけ「両親からたくさんの子供が生まれることを願う」というものもあるんです。
確かに、かつて北海道沿岸でニシンが大量に獲れていたという明治時代頃は子だくさんな家庭が多かったでしょうから、その当時の人達は数の子にそういった願いを込めたとしても納得できますよね。
カドの子が変化した言葉
『数の子』という名前の由来は、その昔(時代は定かではありません)ニシンが「カド」と呼ばれていたことから「カドの子」と呼ばれ、その呼び名が徐々に変化したものであると言われています。
なお、『数の子』という字は、既述した子孫繁栄や子だくさんに引っ掛けた当て字だという説もあるんですよ。
そう考えれば、やはり数の子はこれらと切っても切れない関係であると言えるでしょう。
数の子に関するよくある質問
数の子にプリン体が少ないのはなぜ?
そもそものお話なのですが、「魚卵はプリン体が多い」と誤解している方が非常に多いです。
他のお肉・魚の方がプリン体は多いことがほとんどです。
プリン体は細胞の核に1単位は入っており、魚卵1粒が1つの細胞なわけなので、他の食品と比べてプリン体がたくさん含まれているはずがないんです。
数の子の食べ過ぎは良くないよね?
プリン体を気にしているのであれば、特に量は気にしなくて問題ありません。
むしろ、普段食べているお肉の方がプリン体は多い可能性が高いので、そちらを気にした方が良いでしょう。
食べ過ぎが良くないというイメージがあるのは、プリン体より「塩分」の方かもしれません。
お酒のつまみなどで醤油をたっぷりつけた数の子をたくさん食べていたりすると、塩分過多になってしまいます。
そのため、味付けに気をつければ食べ過ぎはあまり心配いりません!
【まとめ】数の子の食べ過ぎてもプリン体の心配はしなくてOK
数の子に含まれるプリン体の量などから、食べ過ぎても良いのか解説しました。
プリン体による痛風を気にしている場合は、数の子の食べ過ぎはあまり気にしなくて大丈夫です。
ただ、調味料に醤油など塩分が多いものをたくさん使用していると、塩分が過多になるため注意が必要です。
魚卵に含まれるプリン体は意外に少なく、むしろ普段食べているお肉・魚の方が多い可能性が高いので、今一度どの食品にプリン体がどれだけ入っているのか調べてみると良いですね!