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ニラが消化されないのは食物繊維が原因?そのまま出てくる理由と対策を紹介!

シャキシャキの食感と風味が何とも言えないニラですが、食べた後にそのまま体の外に出て、驚いたことはありませんか?

そのまま出てくると、体が不調なのかと不安になりますよね。

消化されていないなら、栄養は取れているのか疑問に思うこともあります。

そこで今回はニラがそのまま出てきて驚いたあなたに、ニラは消化されないの?という疑問を解決し、おすすめの食べ方を紹介します。

ニラは消化されない?

出典:パブリックドメインQ

ニラは消化されにくい食材です。

食べたニラはそのまま体外へ排出されることがありますが、消化不良ではありません

そのまま出てきても、栄養素はきちんと体内へ吸収されています。

形を残したまま出て驚くこともありますよね。

ニラがそのまま出てきても、消化不良でもなければ、必要な栄養素もきちんと吸収されているので安心して下さい。

ではなぜニラが消化されにくい食材なのか、これから詳しく解説します。

ニラが消化されにくい理由

出典:パブリックドメインQ

ニラが消化されにくい理由は、次の2つです。

  • 不溶性食物繊維多く含まれるため
  • アリシンが多く含まれるため

更に、ニラに限った話ではありませんが、以下の3つの理由も考えられます。

  • 噛む回数が少ないため
  • ストレスや体調不良で消化機能が弱っているため
  • 子供の場合は消化器官が未発達なため

不溶性食物繊維、アリシンなど聞きなれない単語もありますよね。

それぞれ、解りやすく解説していきます。

不溶性食物繊維が多い

不溶性食物繊維が多い野菜は、消化に長い時間がかかります。

不溶性食物繊維とは、水に溶けにくく、腸内の水分を吸収して膨らむタイプの食物繊維のことです。

ニラには多くの不溶性食物繊維が含まれており、消化途中に出てきたため、そのままの形で出てきているのです。

ニラに多く含まれる不溶性食物繊維は、繊維質が多いので人間の体で消化できません。

不溶性食物繊維の形は、繊維状や蜂の巣状で1つ1つが硬くて丈夫です。

硬い繊維は嚙み切りにくく、あまり小さくなることなく胃に送られます。

胃や腸でも不溶性食物繊維は消化に時間がかかるので、小さくなることなくそのまま出てくるのです。

不溶性食物繊維には、腸壁を刺激し、鈍くなっていた腸の動きを活発にする働きもあります。

便秘に悩んでいる人にとっては、うれしい効果をもたらす不溶性食物繊維ですが、快便の方や下痢ぎみの方には刺激が強すぎることがあります。

そのため一度に多く摂取すると胃腸に負担がかかり消化不良の原因になるので注意が必要です。

また、腹痛や胃痛を起こす場合もあるので、体調をみながらニラの食べ過ぎには気を付けてくださいね。

アリシンが多く含まれる

ニラにはアリシンという成分が多く含まれており、摂り過ぎると下痢を起こす可能性があります。

他にも胸やけや膨満感、腹痛などの症状を引き起こす場合も。

また、アリシンには強い抗菌作用があり、食べ過ぎると腸内環境を乱して、下痢や腹痛の原因になります。

さらに胃の運動機能を弱める効果もアリシンにはあるので、胃で消化されずに腸に送られてしまうのです。

しかしアリシンは適切な摂取量なら、健康に良い効果も期待できますよ。

アリシンの良い効果を4つ挙げて、紹介します。

食欲増進効果

アリシンには胃や腸を刺激し、消化液の分泌を促進します。

そのため、食欲増進に大きな効果があります。

疲労回復効果

糖質の代謝を良くするビタミンB1と結合して、エネルギー生成も高めます。

また、排出されやすいビタミンB1を体内に長く止める効果もあります。

殺菌効果

強い殺菌力があるので、感染症や風邪の予防に効果があります。

食中毒菌などの病原体を退治する効果もあるので、薬味としても利用されています。

血流改善効果

アリシンには血液をサラサラにして、血流を改善する効果があります。

血流を改善して血液を固まりにくくするので、血栓が原因の心筋梗塞や脳梗塞の予防にも効果があります。

噛む回数が少ない

出典:PAKUTASO

不溶性食物繊維は硬い繊維質で体内では消化しにくいため、噛んで細かく砕く必要があります。

ニラを口に含んだら、できるだけよく噛んでみましょう。

噛めば噛むほど、唾液が出るので消化の手助けもします。

何回も噛むのが難しい場合は、事前に細かく切り刻んで料理するのがおすすめですよ。

ストレスや体調不良で消化器官が弱っている

体調不良の時は消化活動が鈍くなっているので、消化や吸収が追い付かず消化不良を起こします。

ニラに含まれる不溶性食物繊維は体内に留まる時間が長いので胃腸に負担をかけます。

さらにアリシンも胃や腸を刺激するので、消化器官が弱っているときには避けたほうがいいです。

胃腸への刺激が多いニラを食べるときは、ストレスや体調不良で消化器官が弱っている日は避けましょう。

子供の場合は消化器官が未発達

子供は消化吸収などの活動が未発達なので、ニラはそのままの形で出てきます。

また噛む力も弱いので、大人以上に消化されにくく、出てくる場合が多いです。

子供にニラを食べさせる場合は、みじん切りなど小さく切って食べさてくださいね。

ニラを消化しやすくするには?

出典:パブリックドメインQ

ニラを消化しやすくするには、次の5つの方法を試してみて下さい。

  • 油調理する
  • 食べ過ぎない
  • 噛む回数を多くする
  • 細かく切る
  • 体調が良い時に食べる

油調理する

炒めるなどの油調理をすると、以下の利点があります。

  • 繊維がしんなりと柔らかくなる
  • 油と相性の良い栄養素の吸収が高まる(ニラの場合はβカロテンやビタミンEの吸収が良くなる)
  • アリシンの効果が和らぐ(油調理ではアリシンの成分が壊れにくくなるので、強い刺激や臭いが和らぐ)

繊維が柔らかくなって栄養素の吸収が高まれば、胃や腸の負担が軽くなるので消化しやすいです。

また、他の食材と組み合わせて食べると、消化や吸収が良くなります。

ニラのおすすめ油調理を3つ紹介しますね。

レバーと一緒に炒める

レバーと一緒に油で炒めるとニラの消化や吸収がよくなるだけでなく、ビタミンAの利用効率も高まります。

レバーは鉄分やビタミンB1が多く疲労回復には最強の食材です。

レバニラはおかずにもお酒のおつまみにも最適ですが、栄養面でもうれしいなら、レバーが苦手でも取り入れたいですよね。

お浸しや和え物にする

ニラの歯ごたえが残る程度に茹で、お好みの調味料とゴマ油やゴマを少量加えて和えます。

ゴマは風味や食感が良くなり、βカロテンの吸収率も高めます。

作り方も簡単で、もう一品欲しい時の副菜にぴったりのニラのおひたし、ぜひお試しください。

鍋物に入れる

モツ鍋や坦々鍋のような、油が多めのこってりした鍋の具材にもニラはおすすめです。

鍋の具材にニラを入れると、βカロテンやビタミンEの吸収が高まるだけでなく、水に流れやすい水溶性のビタミンも効率的に摂取できます。

ニラに含まれる多くの栄養素を効率的に摂取したい時は、特におすすめです。

食べ過ぎない

香りが豊かで、ついつい箸が進むニラですが、食べ過ぎると消化不良になるので食べ過ぎないことが肝心です。

過剰に食べれば消化や吸収に時間がかかり、胃や腸に負担がかかります。

そのため、目安量を守って食べるようにしましょう。

ニラの目安量は次の通りです。

ニラの目安量

まずはニラ半束を目安に食べて下さい。

1日に食べる野菜の理想量は350g以上ですが、そのうちの120g以上がニラを含む緑黄色野菜です。

ニラ1束は100g~200g程度なので、他の野菜とのバランスを考えると多くても半束、50g~100g程度に止めるのがおすすめです。

しかし、消化能力には個人差があるので体調を見ながら量を調節してくださいね。

噛む回数を多くする

出典:PAKUTASO

噛む回数を多くすると繊維が細かくなるので、消化や吸収の負担が軽くなります。

一口で30回以上噛んで飲み込むのが理想とされています。

細かく切る

細かくすると繊維も同時に切れるので、消化しやすくなります。

おひたしや鍋物、炒め物に使うならざく切り。

ギョウザや汁物など、トッピングや具材として使うならみじん切りや粗みじん切りが最適です。

噛む力が弱い子供には、特に細かく切ってあげてくださいね。

体調が良い時に食べる

体調不良で胃腸の働きが鈍くなっている時に、不溶性食物繊維やアリシンの刺激は胃や腸にとって負担になります。

そのため、ニラを食べる時は体調が良い時にしましょう。

ニラ以外で消化されにくい食べ物

出典:Unsplash

ニラのようにそのままの形で体外へ排出される食材を、「スループット食材」と言われています。

スループット食材はニラ以外に、どんな食材があるのでしょうか?

次の8つの種類の食材から順に紹介します。

  • キノコ類
  • 根菜類
  • 筋の多い野菜
  • 種実類
  • 果物類
  • 穀類
  • 芋類
  • 豆・豆製品

キノコ類

  • キクラゲ
  • エノキ
  • しいたけ
  • しめじ

キチン、リグニン、セルロースなどキノコ類は全般的に不溶性食物繊維が多いです。

エノキやキクラゲは硬くて嚙み切りにくいので、消化されずにそのまま出る確率が高いです。

みじん切りなど細かく切って使うと、消化されやすくなります。

根菜類

  • 大根
  • にんじん
  • ゴボウ
  • レンコン

根菜類にも不溶性食物繊維が多く、そのまま出てきやすいです。

加熱して繊維を柔らかくすると、消化が良くなります。

繊維を柔らかくするなら、加熱時間が長い煮物がおすすめです。

筋の多い野菜

  • タケノコ
  • きぬさや
  • セロリ

タケノコやセロリのような筋の多い野菜も、そのまま外に出やすいです。

筋の部分も不溶性食物繊維の1つであるセルロースやヘミセルロースでできています。

そのため、丈夫で形が残りやすいのです。

包丁やピーラーなどを使って、皮を剥く感覚で取ります。

調理前に筋を取っておくと食べやすく、筋や欠片のがそのまま出てきにくいですよ。

種実類

出典:パブリックドメインQ

  • ナッツ類
  • ゴマ

種実類は、繊維が硬い食品が多いです。

更に、主な成分が脂質なので胃や腸に止まっている時間が長く、特に消化されにくいのです。

よく噛むか、すりつぶして食べるといいでしょう。

果物類

  • ドライフルーツ
  • バナナ

バナナは果肉の周囲の筋の部分が硬く、消化しきれず出てくる場合が多いです。

ドライフルーツは全体的に水分も少なく、繊維の筋や種もしっかりしているので形を残して外に出ます。

ドライフルーツの中でも干し柿やドライイチジクは、特に不溶性食物繊維が多くて形が残りやすいです。

穀類

  • 玄米
  • 麦・大麦
  • とうもろこし

穀類の皮は植物の細胞壁を作る、ヘミセルロースやセルロースという不溶性食物繊維の一種からできています。

そのため、消化されずに外に出てきやすいです。

中でも、玄米やとうもろこしは皮がしっかりしているので出てくる頻度が高いです。

芋類

  • さつまいも

芋類の中でもさつまいもは、不溶性食物繊維が多くて繊維もしっかりしています。

皮ごと食べると特にそのまま出てきやすいです。

豆類・豆製品

  • 大豆
  • あずき
  • 枝豆

豆類の皮は不溶性食物繊維の1つである、セルロースやヘミセルロースというものでできています。

薄皮が取られた豆は消化されますが、豆を皮ごと食べる場合は、よく噛んで食べてくださいね。

まとめ

ニラについてまとめると

  • ニラは消化されにくい食べ物
  • なぜなら、食物繊維が豊富・アリシンが含まれているため
  • そのまま出てきたとしても、栄養は吸収されてるから大丈夫

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