サザエってどこまで食べれるの?
肝とかも食べられるのかな...
せっかくなら、新鮮なサザエを生で食べたいな。
新鮮なサザエは、身だけでなく肝も食べられるよ。
風味豊かな肝を美味しいレシピでアレンジしてみよう!
多くの人が心配する、腹痛や下痢についても確認しておくと安心だね。
この記事でわかること
- サザエの肝のはどこからどこまで食べられるのか
- サザエの肝は刺身などで生食できるのか
- サザエの肝を使った美味しいレシピ
もくじ
【サザエの肝】食べられる/食べられない部分はどこ?
とげとげしい殻に包まれて、何だか食べにくそうな構造のサザエ。
小さな穴から思ったよりも大きな身が出てきて驚いた…という方も多いのではないでしょうか。
まずサザエの肝はどこからどこまでを指すのか、そして食べられる部分はどこなのか確認していきましょう。
サザエの肝はどこ?黒い部分は食べれる?
こちらの画像は、サザエの身をすべて取り出したものです。
サザエの穴を覗くと、白く丸い「ふた」の部分があり、これに張り付くように身や貝柱・肝が付いているのが分かります。
ふたのすぐ裏にある白みがかった部位がサザエの身、ヒダのような長い部位が貝柱、そして渦巻きの部分が肝であると覚えておきましょう。
こちらの画像の奥にある部位は、貝柱と肝の境目が分かりやすいですね。
「肝」と一言で呼んでいますが、実は渦巻きの部分が生殖腺、その手前に消化器官があります。
生殖腺のため雌雄で色が異なるのが特徴で、メスは画像のようなモスグリーンの肝であり、オスは乳白色。
オスの方が食べやすく、メスは通にはたまらない独特の苦みがあるといわれています。
サザエの肝の可食部
上記はサザエの身や肝を別角度から見た写真です。
左側の塊は身のため、すべて食べられる部位。
右側はというと、まず中央辺りにある「はかま」という部位を丸ごと切り取る必要があります。
実はこの「はかま」こそが、サザエを食べた時の苦みの原因。
肝よりもはるかに苦く、通の中の通のみが味わえる部位でもあるのです。
そして「はかま」に繋がっている砂袋も、同時に切り取るのがおすすめです。
その後残った身と渦巻き状の肝部分は、さまざまなレシピに活用できますよ。
サザエの肝は生食できる?刺身には何がおすすめ?
サザエの肝が食べられることは分かりましたが、新鮮なものほど生で食べたくなりますよね。
続いてはサザエの肝は生食できるのかどうか、また刺身にするなら何をつければ良いのかを見ていきましょう。
サザエの肝は生でも大丈夫?
サザエの肝は、生でも美味しく食べられる部位です。
牡蠣のように海中の物質を溜めこむ性質がないため、有害物質の蓄積も心配ありません。
また、海水を吸入してプランクトンを食べる二枚貝類とは異なり、口を使って海藻を食べているサザエなどの巻貝類。
体内に砂が入り込むことは少ないですが、稀に砂袋に砂が溜まることがあるため、舌触りを気にする場合は取り除いておくと良いでしょう。
刺身につけるのは醤油?ポン酢?
刺身には醤油をつけるイメージが強いですが、実はポン酢でも美味しく食べられるサザエの刺身。
それぞれ味わいが絶妙に異なるため、両方用意しておき、食べ比べてみるのもおすすめです。
- 醤油:王道中の王道。海のものをいただく時は、牡蠣醤油などでまろやかな味わいを楽しむのもおすすめ。
- ポン酢:柑橘系の爽やかさが加わるため、サッパリといただきたい夏場にピッタリ。
茹でる場合のベストな茹で時間
生食に比べ身が取り出しやすく、プリプリとした触感を楽しめる茹でサザエ。
熱しすぎると身が縮んでしまうため、ベストな茹で時間をおさらいしておきましょう。
材料
- サザエ
- 水:サザエが浸るくらい
- 酒:少々
- 鍋にサザエを並べたら、浸るくらいの水を入れる。
- 酒を少々加え、沸騰するまで温める。
- 沸騰して1分ほど経ったら火を止め、余熱で5分ほど火を入れる。
酒を少々入れることで、磯特有の臭みを緩和できます。
サザエの肝の食べ方と美味しいレシピをご紹介!
サザエの肝はほろ苦い中にも甘みを感じ、「大人の味」として人気の一品です。
一口食べると濃厚かつクリーミーな味わいが口に広がり、お酒のアテにもピッタリですよ。
サザエには、アミノ酸の一種「タウリン」や食物繊維の仲間「アルギン酸」が豊富に含まれており、その含有量は魚介類の中でもトップクラス!
美味しく食べるのはもちろんですが、これらの栄養素をしっかり摂取できるおすすめのレシピを選んでみました。
サザエの肝ソースでこってり濃厚パスタ(2人前)
材料
- サザエ:2個
- パスタ:2人分
- 【A】ニンニク:1片
- 【A】バター:10g
- ニンニク:1片
- オリーブオイル:大さじ1
- 塩胡椒:適量
- 鷹の爪:適量
- パスタを表示時間通り茹でる。
- サザエを茹でて身と肝に分ける。
- 身の部分を食べやすい大きさに切る。
- 肝を包丁の背で潰し、ペースト状にする。
- 【A】をフライパンで熱し、肝を加えて数分間炒める。
- 新しいフライパンにオリーブオイルとニンニク・鷹の爪を熱し、刻んだサザエの身を加える。
- パスタとゆで汁を少し入れて乳化させたら、先ほどの肝ペーストを少量加えて味を見る。
- お好みの風味になったら、塩胡椒で味を調えて完成。
肝ペーストは少量でも一気に風味が変わるため、少量ずつ入れてお好みの濃さにするのがおすすめです。
オリーブオイルでじっくりと!サザエの肝アヒージョ(2人前)
材料
- サザエ:5個(目安)
- シメジ、マッシュルーム、マイタケなどのキノコ類:適量
- オリーブオイル:大さじ3
- ニンニク:1片
- サザエの茹で汁:大さじ2
- 白ワイン:大さじ1
- 塩胡椒:適量
- 茹でたサザエを身と肝に分け、それぞれ食べやすい大きさに切る。
- みじん切りにしたニンニクをフライパンに入れ、オリーブオイルを加えて温める。
- 弱火で熱してニンニクの香りがしてきたら、サザエとお好きなキノコを入れる。
- サザエの茹で汁と白ワインを入れ、塩胡椒で味を調える。
サザエのうまみをキノコが吸ってくれるため、一緒に入れるのがおすすめです。
パスタソースにしても良し、バゲットにのせて食べるも良し、お酒のおつまみにもピッタリですよ。
バターのコクが美味しいサザエの肝ソテー(2人前)
材料
- サザエ:5個
- バター:10g
- 醤油:小さじ1
- ニンニク:1片
- 茹でたサザエを身と肝に分け、それぞれ食べやすい大きさに切る。
- フライパンにバターを溶かし、みじん切りにしたニンニクを入れて炒める。
- サザエを加えて少ししたら醤油を回しかける。
王道のバター醤油に大人の風味が加わり、思わず箸が止まらなくなってしまう一品。
これだけで食べると味が濃すぎる…という場合は、キャベツなどの葉物野菜を一緒に炒めるのがおすすめです。
和食にピッタリ!サザエの肝の煮付け(2人前)
材料
- サザエの肝:10個分
- 【A】醤油:大さじ1
- 【A】酒:大さじ1
- 【A】みりん:大さじ1
- 【A】砂糖:大さじ1
- 【A】和風だしの素(顆粒):小さじ1
- 生姜:1片
- 茹で上がったサザエから肝の部分を分ける。
- 鍋に【A】を入れて混ぜ、肝と生姜を加えて火にかける。
- 沸騰してから30秒ほど加熱したら火を止め、冷ます過程で味を染み込ませる。
身と同じように、肝も過熱しすぎると風味を損ないます。
冷えるにつれて味が染みていくため、加熱が長くなりすぎないように注意しましょう。
サザエの肝は腹痛や下痢の元?食あたりになる原因とは
美味しく食べられることが分かったサザエの肝ですが、中にはお腹を壊してしまったというケースもあるようです。
安全に食べるためにはどうしたら良いのか、またどうして腹痛や下痢が起こるのかあらかじめ確認しておきましょう。
また、貝類と聞いて心配になるのが「貝毒」。
重篤な症状を引き起こしがちな貝毒の仕組みと、サザエとの関係性をご紹介します。
赤いものや黒いものは食べてもOK?緑の部分は?
サザエの肝を見てみると、実はさまざまな色をしていることが分かります。
パクッと一口で食べる前に、それぞれ異なる色合いを観察してみましょう。
- 深緑色(黒):メスのサザエ
- 乳白色:オスのサザエ
- 赤みがかった茶色:直前に食べた海藻の色(トサカノリなど)
サザエのメスが深緑色の肝をしているのは、卵や卵巣の色だといわれています。
状態によっては黒っぽく見えることがありますが、そのまま食べても問題ありません。
食べやすく万人受けするオスのサザエは、白や黄みがかった乳白色であるものがほとんど。
しかしその中に、血のように見える赤いサザエが混じっているのを発見した方もいるのではないでしょうか。
「傷んでいるのかも」と心配になりがちな赤いサザエですが、こちらも食べられます。
サザエは海藻を食べて生きているため、海藻の色によって身や肝の色が一時的に変わることがあります。
赤いサザエは、直前に「トサカノリ」などの海藻を食べていたから。
海藻サラダなどにも含まれる美味しい海藻のため、安心して食べてくださいね。
臭いのはどうして?貝毒の心配はない?
ほんのりと磯の香りがするのではなく、明らかに「臭い」と感じるサザエは傷みが進んでいる可能性が高くなります。
「身の部分だけなら…」と思わず、そのまま処分してしまいましょう。
また、サザエの鮮度を確かめる方法として、まず生きているか死んでいるかを確認しなくてはなりません。
ふたがしっかり閉じていればまだ生きているサザエ、だらんとしてすぐに抜け出てしまうのは死んで時間が経っているサザエです。
死んでから数時間程度ならば食べられますが、傷みやすい肝は避けるのが良いでしょう。
また、サザエをはじめとする貝類で心配なのが「貝毒」です。
貝毒は海中に有毒なプラクトンが発生し、これを貝が食べて毒素を蓄積することで起こります。
つまり貝毒の心配があるのは、プランクトンをエサとする二枚貝が主。
海藻を食べて育つサザエやアワビの場合、貝毒の心配は少ないといわれています。
もちろん、市販の二枚貝はすべて検査済みのため、貝毒を気にすることなく食べられますよ。
貝毒は加熱しても無毒化できないほど手強い毒。
食べたからといって味に変化があるわけではないため、気が付かずに食べて下痢や麻痺を引き起こすケースが多発しています。
潮干狩りなどで貝を獲る際は、捕獲が許されている区域かどうかをきちんと確認するようにしましょう。
妊婦が食べても大丈夫?
妊娠中は、大人は良くても胎児に影響を及ぼす食品を避けなくてはなりません。
よく耳にするのが「生魚はNG」ということ。
もちろんサザエの生食もこれに含まれ、普段ならば何ともない雑菌が胎児に影響を及ぼさないようにする必要があります。
新鮮なサザエの刺身は他に代えがたい美味しさがありますが、妊娠・授乳中は避けるのが良いでしょう。
一方、茹でたり煮たりした加熱済みのサザエであれば、妊娠中でも問題なく食べられます。
そこで一つ注意しておきたいのが、「一度に食べる量」について。
サザエの肝には水中の重金属が蓄積しやすく、多量に摂取すると胎児がうまく発達できなくなるリスクがあります。
サザエの肝を日常的に食べるという場合は、あらかじめ産婦人科等で相談しておくのがおすすめです。
サザエの食べ方に関するよくある質問
サザエつぼ焼きの食べない部分は?
肝の先にある緑っぽい部分・黒い部分が食べない方が良いです!
生殖腺のため雌雄で色が異なるにですが、メスは画像のようなモスグリーンの肝・オスは乳白色をしています。
オスの方は食べやすいのですが、メスの方は独特の苦味があるので食べない方が良いでしょう。
ただ食べられないわけではないので、ツウな方は食べるようです。
サザエの洗い方は?
水道水でサザエの表面をたわしなどでゴシゴシするだけでOKです!
砂がついてることがよくあるので、その砂をしっかり落ちれば完了です。
砂が食べるときに一緒に口に入ってくるとジャリっとして萎えるので、しっかり事前に落としておきましょう。
サザエの肝の効能は?
ビタミン・ミネラルが豊富に含まれていて健康維持にとても良いです!
また、貝類の中ではタンパク質含有量も多いです。
タウリンも多めに含有されており、肝臓の機能を高めてくれます。
タウリンは栄養ドリンクにもよく入っている成分ですね!
【まとめ】サザエの肝は捨てないで!丸ごと美味しく食べよう
サザエは肝も含め、丸ごと美味しく食べられる食材です。
旬の時期も冬から初夏までと幅広く、刺身や焼きなどさまざまなレシピがあるのも魅力的ですね。
個体ごとに色が異なりますが、特に注目してほしいのが雄雌の違い。
あっさりが好きな方は白いオスを、苦みを楽しみたい方は緑のメスを選びましょう。
身や肝の美味しい調理法を身に着け、海の恵みをふんだんに味わってみてくださいね。
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