成長と共にその呼び名が変わってゆく「出世魚」の一種として知られるスズキですが、その呼び名の種類にはどのようなものがあるんでしょうか。
また、それぞれの種類の特徴や生態も気になりますね☆
そのため今回は「スズキは出世魚?順番や呼び名や名前、ハクラ・セイゴ・フッコ・ハネとの関係は?」をご紹介します!^^
スズキは出世魚?
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出世魚として知られるスズキはその大きさ(成長度合い)により、20~40cmであれば「ハクラ」もしくは「セイゴ」、40~60cmであれば「フッコ」、60~100cmであれば「スズキ」、100cm以上の物であれば「オオタロウ」と、その呼び方が変わりまります。
これらはあくまで一般的な話で、地域によってもその呼び方が変わります。
何か…「ドラゴンボールZ」のフリーザ様みたいですね。
それはともかく、そんなスズキの出世魚を大きさ順に解説すると・・・
ハクラ/セイゴ
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いわゆる「第1形態」の名前で、30cm以下のものをハクラ/セイゴと呼びます。
釣りにおいては初心者でもGETしやすい上に、食べても美味しいので、人気の高い魚なんですよ。
また、北海道から鹿児島までの広い範囲の海に生息しているので、旬の時期である6月~8月なら簡単に釣ることができるのも嬉しいですね。
なお、エラ蓋の所に鋭い棘があるので、触れる際には刺さらないように軍手をするのがベターです。
美味しい食べ方としては、魚料理の定番とも言えるお刺身はもちろんのこと、塩焼きやムニエルなど様々なものがあるほか、白身魚ですので、すり潰せば何と赤ちゃんの離乳食にも使えます。
まさに「万能魚」ですね。
なお、お刺身で生食する際であっても、セイゴには「アニキサス」などの寄生虫はほとんどおらず、仮にいたとしても人体に害を与えるほどの症状は出ないので安心して食べてられるのも嬉しいところです。
ですが、身体の表面についている雑菌などで食中毒を起こしてしまう可能性は十分にあるので、お刺身にする際に使ったまな板などはしっかりと洗い、汚れを落とすようにすることが大切です。
フッコ
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「第2形態」の名前であり、40~60cmの大きさの物を指す名前がフッコです。
フッコは生息している地方によってその呼び方が変わります。
関西では「ハネ」と呼ばれ、
関東ではフッコまでの大きさのものをまとめて「セイゴ」と呼ばれています。
生息地域は北海道南部から九州沿岸までと幅広く、日本だけでなく朝鮮半島でもその姿が見られるのが特徴です。
また、季節によって生息場所が微妙に違い、活発に活動する春から秋が終わって冬になると、湾口部や河口といった温かい水が入ってくる場所に移動し、産卵・越冬を行うことで知られています。
旬の時期は夏頃で、美味しい食べ方としては、上でご紹介したセイゴと同じく、お刺身やムニエル、そしてカルパッチョなどが挙げられます。
なお、お刺身にする際には、必ず体の色をチェックするようにしましょう。
身体が黄色っぽくなっているものは水質が悪い場所に生息していたという「動かぬ証拠」ですので、食中毒を起こさないようにするためにもこういったものは避け、水質が良い場所にいたという証拠である艶があって銀色に光っているものを捌くようにして下さいね。
スズキ
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スズキは別名「シーバス」とも呼ばれ、海の近くや川に生息している大型の肉食魚です。
「スズキ」、「タイリクスズキ」、「ヒラスズキ」の3種類が存在しています。
釣り上げる際の「引き」の強さ、獲物を獰猛に追いかけるゲーム性の高さから、釣り人達の間ではかなりの人気を誇っている魚です。
また、高級魚であることから、たいていどんな料理にも合わせることができ、淡白な白身はとても美味です。
それぞれの生息地域は、
「スズキ」が東北から九州までの沿岸部・そして韓国の一部沿岸、
「ヒラスズキ」は本州沿岸、
「タイリクスズキ」はその名前の通り(?)本州をはじめ韓国や中国の広大な沿岸に生息しています。
特に、このタイリクスズキは昭和の頃に西日本で養殖され始めたことがきっかけで、その後各地で増殖。
現在では、東京湾でもその数を増やしているんだとか。
とても幅広い「勢力分布図」ですよね。
それに対して、ヒラスズキの生息地域は、既述したように本州沿岸のみと非常に範囲が狭いので、もしも見る機会があれば、それは極めてレアなケースと言えるでしょう。
ちなみに、日本で一般的に「スズキ」と言われているのは、正確には「マルスズキ」と言い、体長は1mを超え、最も大きいもので110cmを超えるものも存在するなど、身体がとても大きいことが特徴です。
だからなのか、スズキには「フィッシュイーター」というニックネームが付いており、アジやイワシなどの回遊魚や、同じく出世魚として知られているボラのほか、中には自分と大きさが変わらないほどの魚を食べることもあるんだとか…。
やはり1mを超える大きい身体を維持するには、それぐらいの量を食べないといけないということなんでしょうね。
なお、調理法はこれまでにご紹介したものと同じく、お刺身のほか、薄く切ったお刺身を氷水で急激に冷やすことで身を引き締める「洗い」、切り身のムニエル、カルパッチョなどが一般的です。
オオタロウ
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スズキの「最終形態」であるこのオオタロウは、既述したように体長が100cm以上あるものを指す呼び名です。
実は、この名前は関東地方のみの呼び名です。
では、関西などではどうなのかというと…どれだけ大きくてもオオタロウではなく、スズキと呼ぶのが一般的なんですよ。
「変わらんのか~い!」というツッコミが聞こえてきそうです。
それはさておき、オオタロウの漁獲量が最も多いのは千葉県で、オオタロウクラスの大物がたくさん集まるんだとか…。
おそらく、オオタロウを含むスズキ種が好んで食べると言われている小魚や甲殻類などが、ほかの地域に比べて豊富なんでしょうね。
スズキは臭いはなぜ臭い?
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スズキはよく「臭いが強い魚だ」と言われますが、これは元来スズキが海や川などの水質汚染に対してとても強いことが理由として挙げられます。
つまり、水質の悪いところでもスズキは生きていくことができるため、水質環境による臭いが付いてしまうということです。
また、スズキは回遊性を持つものと河口付近に生息しているものとに分かれていて、河口付近の生息するものは様々な不純物を食べて生活しているので、どうしても体内に毒素が溜まりやすいんです。
それに対して、回遊性を持つものは常に場所移動を繰り返しているので、身体に不純物が付きにくいため、臭いが少なくなっています。
このように、比較的多くのスズキの臭いがキツイ・強いため、スズキは臭いが強い魚と言われるのです。
では、臭いの強弱を見分ける方法はあるのでしょうか?
答えは…あります。
臭いの少ないスズキをGETするポイントはというと…ズバリ「色と場所」です。
臭いが少ないスズキは環境の良いところで生息しているため、身体の色が綺麗で艶のある銀色をしています。
逆に、臭いが強いものは黒っぽく…いかにも「体内に不純物がいっぱい」という色をしているので、すぐに見分ることができます。
次に、場所に関してですがは「河口から離れた場所にいる物を狙う」こと、そして「何らかの処理場や発電所の近くや排水口の周りなど…不純物が排出されているおそれのある場所付近では釣らない」ことです。
釣ってから食べるようと考えているのであれば、これはマストです!気を付けましょう‼
「少し黒っぽいけど、まあ大丈夫だろう」と油断して食べてしまい、結果、食中毒になってしまっては元も子もないですからね。
ですので、少しでも怪しいと感じたものは決して食べずにリリース(海や川に返すこと)しましょう。
特に、免疫力や抵抗力が弱い小さいお子さんやご高齢の方には、食べさせないようにしてください。
まとめ
セイゴ→フッコ→スズキ→オオタロウと名前を変える出世魚のスズキ。
どの種類も調理法が豊富で味ももちろん最高ですので、ぜひ食べて下さいね。