すじこといくらって似てるけど、何が違うのかな?いくらの方が高いイメージあるけど...
そもそもなんの卵なんだろう...
確かに、魚卵の中でもすじこといくらは似てますよね!
本記事で違いを解説していくので参考にどうぞ!
この記事でわかること
- すじこといくらの違いは何なのか
- それぞれ何の卵なのか
- どちらの方が高いのか
もくじ
【すじこといくらの違い】8つの観点から解説!!
色も見た目も殆ど変わらないすじこといくら。
実は、旬や取り出す時期に依って、呼び名が変わってきます。
では、2つはどのように違うのか?1つ1つ紹介していきます。
すじこといくら何の卵?
ご存じの方も多いと思いますが、すじこといくら、原料はどちらも同じ鮭とマスの卵です。
呼び名の違いは、いくらやすじこの違いはまず形にあります。すじこは卵巣膜に包まれて塊になっています。
「すじこ」という呼び名も、塊で卵が筋のようになっているから、というとことから来ています。
一方いくらは、1粒1粒がバラバラになっています。卵巣を鮭やマスの体からそのまま取り出した物をすじこ、1粒1粒取り出した物をいくらと呼びます。
お腹を押し出して、卵巣からあの小さな卵を1粒1粒取り出すって、考えただけで果てしないですね、手間と時間が。
見た目や大きさ
突然ですが、皆さんはすじこといくらの粒をよく見た事がありますか?
似たような色と形だから気にする人は少ないかもしれませんが実は、この2つは大きさが違います!
結論を言いますと、いくらの粒の方が大きくてすじこの粒の方が小さいです!
味
2つは、元の卵は同じなので、味の根本にあまり違いはありません。
但し作り方に違いがあるため、実際の味には違いがあります。
まず、すじこの味です。
すじこはいくらに比べて、しょっぱく塩味が強くて深い味わいです。
対していくらは、すじこ程のしょっぱさはなく塩味が薄めです。
様々な調味料で味を付けている事が多く、魚本来の旨みを味わう事ができます。
しかし、鮮度が高い物はどちらも塩味が薄く、旨みがあって美味しいです。
プチプチした弾力が特徴のいくら。皮がゴムボールのように、強い弾力のいくらに当たった事はあるでしょうか?
弾力の違いは育った環境にあります。
その鮭が海水から淡水、つまり海から川に移って、川でそのまま獲れたからです。
海水から淡水に入ると、体内で浸透圧の調節する必要があります。
その過程で、皮が硬くなったと言われています。
値段
これも結論を言いますと、値段が高いのはいくらです!
漁獲量の違いにより値段は変動するため、はっきり何円とは言えませんが、目安としてはいくらの値段はすじこの値段の倍くらいです。
どうしてここまで値段に差が出るかと言いますと取り出し方に理由があります。
最初に紹介しましたが、すじこは卵巣ごと取り出すのに対し、いくらは1粒1粒取り出します。
1粒1粒取り出す方が当然、手間も時間もかかるため、その分値段が高くなります。
旬・時期
日本のいくらやすじこは主に秋鮭(白鮭)やカラフトマスの卵を使います。これらの魚の旬は、秋となります!
すじこが出るのは秋位が多いですよね?
この為です、すじこが限られた時期にしか食べられないのは。
1粒1粒ぷにぷにと柔らかくて、非常に美味です!
一方のいくらは、1年通して美味しく食べられますが、旬である秋は格別です!
1粒1粒ハリとツヤがあり、程好くプチプチしています。
旬の中でも特に、10月中旬~11月中旬までのいくらが1番美味しいです。
因みに、11月中旬を過ぎると、卵を守るため殻が硬くなり、硬めのいくらに当たる確率が高くなるそうです。
漁獲する時期
この漁獲する時期が、いくらになるかすじこになるか一番のポイントです!
卵を持っている鮭かマスを使う事に変わりはないですが、いくらは成熟して孵化直前の卵を使い、すじこは成熟前の未熟な卵巣を使います!
すじこといくらの大きさの違いのところでいくらの粒よりすじこの粒の方が小さいと紹介しましたが、これは卵巣の成熟度の違いが原因です。
いくらは成熟して栄養も沢山貯まっているため、卵巣も卵1粒1粒も大きいです。
対して未成熟な卵巣を使うすじこは、熟成しきっていないのでいくら程の栄養が卵がに行き渡っておらず、全体的に小さな粒になります。
成熟してるか未成熟か、それでいくらなのかすじこなのかが決まります。
作り方の違い
いくらもすじこも加熱加工はせず、殆どは塩漬けか醤油漬けにします。
すじこで塩蔵加工しない、生すじこというものもありますが、それは稀です。
大正時代にロシアから塩蔵の方法が伝わった当時は、塩漬けしかありませんでしたが最近では、醤油漬けが多くなってきています。中には、粕漬けをする所もあります。
バラバラのいくらも卵巣のすじこも、塩や醤油で漬けるという作り方に変わりはありません。
ですが、バラけているか塊になっているかで少し違います。まずいくらですが、こちらは醤油漬けが主流です。
いくらは弾力があり、粒が崩れにくく、しっかりしています。
そのためいくら本来の味を残しつつ、旨みを活かした調味料を加えたりする事もします。
対して、すじこは塩漬けが主流です。
すじこは卵巣膜に包まれて塊となっていますが、未熟なため粒が柔らかく崩れやすいです。
卵を崩れにくく締めるため、濃いめの塩分濃度で漬ける必要があります。
貯蔵方法
塩蔵にする理由は卵を締めて、保存性を高めるためです。
いくらもですが、すじこは特に鮮度が落ちやすいので、塩漬けにして余分な水分を抜いて締める必要があります。
鮮度が高い時は、透明なオレンジ色をしていますが、落ちると赤色に変化してきます。
粒の感じも、鮮度が落ちる程塩分が濃くなるので、パラパラした感じがなくなります。
通年スーパーや市場などに出回っているいくらは、旬の時期に獲れた秋鮭の卵を沢山塩蔵したものです。
塩蔵という技術が伝わったため、1年中いくらを美味しく食べられます。
食べ方
下記のように使い分けて食べると良いでしょう。
- すじこは単品
- いくらは他の食材と組み合わせる
すじこは単品で!
すじこはいくらと違って、あっさりしていますが、塩味が濃いので調味の自由があまり効きません。
そのため、他の食材と組み合わせるより、単体で食べるのが美味しいです。
味の付いてないご飯やおにぎりの具にするのがおすすめです。
下記のように、お酒のおつまみとして単品でいただくのもとても美味しいです!
一方、いくらは他の食材と組み合わせた方が良いです!
漬け方が違うので、それに合わせた食べ方をするのが当然美味しく食べられます。
まずはいくらです。いくらを使った料理って沢山浮かびませんか?
いくら丼、軍艦巻、ちらし寿司など。
元の味付けが薄く調味が可能ないくらは、お寿司などのように他の食材と組み合わせて食べるのがおすすめです。
すじこ・いくらに関するよくある質問
いくらはキャビアの代用品だったってホント?
1粒1粒がバラバラになっている物をいくらと呼びますが、この「いくら」という語はロシアの言い方なのです。
「いくら」は日本語に訳すと「魚の卵」、「小さくて粒々したもの」という意味になります。
日本で「いくら」と言いますと、秋鮭の卵に限って言います。
しかしロシアでは、たらこも、極端な例を挙げると高級食材のキャビアも「いくら」と呼びます。ロシア人が鮭の卵をバラバラにしたもの「いくら」と呼んだのが始まりだそうです。
日露戦争時代、キャビアの代用品としても、ロシア人は口にしていました。
すじこは貴重って聞いたことあるけどどうなの?
筋子 いくら どっちが高い?
値段は、手間がかかるためいくらの方が高いと紹介しましたが、実はすじこの方が貴重だったりします。
いくらは高いですが保存性が高く、現在は人工いくらというのも存在するので通年売る事ができます。
関連記事:【いくらの偽物と本物の見分け方】人工いくらの味・栄養は落ちる??
しかし、年中美味しいいくらとは反対にすじこは、旬の限られた時期にしか売られません。
理由は、秋鮭やカラフトマスが沖合いから沿岸に来る季節が、他の鮭類と違うからです。
秋に産卵するのは他の鮭類と同じですが、秋鮭やカラフトマスは川に入ってすぐ産卵します。
そのため、沿岸に来る頃には卵が成熟してしまっています。
未成熟な卵巣を取り出すには、これら2つは沖合いで漁獲しないといけません。
そのため、すじこの方が貴重になってきます。
いくら・すじこ・はらこの違いって?
- いくら:卵巣膜から1つずつ取り出している
- すじこ:卵巣膜で繋がっている
- はらこ:まだ手を加えていないもの
と覚えておくのが良いでしょう。
【まとめ】すじこといくらは同じ親!違いは取り出し方だった!
すじこといくらの違いを8つの観点に分けて紹介してきました。
すじこといくらの違いが少しでも理解していただければありがたいです。
いくらは通年ありますが、それでもやはり旬の美味しさには勝てません。
どっちも買って食感を食べ比べてみても良いですね!