梨って皮むかないで食べて良いのかな?
果物の皮って農薬がかかってるかもって聞いたことあるんだけど...
梨は皮ごと食べれます!
確かに農薬を気にしてむく方も多いですよね。
実際、体に悪影響があるのかなど、梨の皮について詳しく解説していきます!
この記事でわかること
- 梨は皮ごと食べられるのか
- 農薬が気になる方へ、正しい洗い方
- 梨の果肉・皮に含まれる栄養
もくじ
梨は皮ごと食べれる!皮をむかないメリットとは?
皮ごと食べるメリット1:栄養素が密集している
皮ごと食べる事の最大の利点は、やっぱり栄養素を効率よく摂取できる部分にあります。
ビタミン、ミネラル、食物繊維など梨には様々な栄養素が豊富に含まれています。
それらが密集しているのは皮と、皮の周辺に含まれています。
皮を剥くと、密集している栄養素も捨てる事になります。それはもったいないですよね。
皮ごと食べるメリット2:甘みを残せる
皮ごと食べる利点は、栄養素の損失を防ぐだけではありません。
皮の周辺には、甘みの素である糖分が他の部分より多くなっています。
梨を食べた時の事を思い出してみて下さい。
梨のお尻の部分や皮が付いてた外側は、水分が多く気持ち甘くて柔らかくなかったでしょうか?そして、中央はどちらかと言うと気持ち酸味が強く、しっかりとした食感ではなかったでしょうか?
梨を食べる時は、少し気にかけながら食べてみて下さい。
気にする程の大きな違いではないですが、どうせ食べるなら少しでも甘い梨を食べたいですよね。
皮ごと食べるメリット3:変色や乾燥を防げる
梨は全体の90%が水分なので、実がカラカラになりませんが、それでも外気に触れればその分だけ水分は失われます。
また、梨には酵素も多く含まれています。
その中には、空気中の酸素に触れると変色を起こす種類もあります。
梨の皮を剥いて何も処理せず放置すると、少しですが変色しますが、あれは酵素が酸素に触れた事により起こります。
少しでも鮮度を保つには、皮ごと食べるのが最適です。
梨の皮の栄養や効果は?
ポリフェノールでアンチエイジング
皮の部分に多いのはポリフェノールという栄養素です。
ポリフェノールは、活性酸素と結び付いて働きを抑制する、よく言われる抗酸化物質1つです。
活性酸素の働きを抑制されると、細胞を守ってガンを予防したり、紫外線による酸化を抑えて肌も守ってくれます。
所謂、アンチエイジングに効果があります。
アスパラギン酸で疲労回復
栄養ドリンクでよくお目にかかる栄養素だと思います。
アスパラギン酸はあらゆる代謝の促進させたり、利尿を促す効果、解熱作用もあります。
これらの効果は結果的に疲労回復はもちろん、むくみや二日酔いも解消してくれます。
夏バテ予防には効果的な栄養素です。
ビタミンやミネラルで健康維持
果物である梨は、もちろんビタミンやミネラルも多く含まれています。
特にミネラルのカリウムは、余分なナトリウムの排出、心臓や筋肉の機能を正常に保ってくれます。
また、ビタミンCはシミやそばかすの予防やストレス解消に、ビタミンAは皮膚や粘膜を守って免疫力を高めます。
【農薬の心配な方へ】梨の洗い方
果物や野菜の皮には農薬が付いているから、食べない方が良いという話を一度は聞いた事があるかもしれません。
しかし正直な話、農薬を使わずに梨などの果物や野菜を栽培するのはほぼ無理です。
何故なら、人間が好む食べ物は虫も好みます。虫や害虫から梨を守るには、農薬が必要となります。だから、梨の皮に農薬が残るのは当然の話なのです。
しかし、心配する必要はありません。
日本の残留農薬の基準値は低く、安全を証明する為に農協などが徹底的に調べ、やっと市場に流通させます。
また、梨は虫やその他の害に弱いので、栽培時はビニール袋を被せます。
その為、数ある果物の中でも残留農薬の量は少ないです。
安心して下さい!
農薬はもちろん、汚れも落とさないといけない
残留農薬が低濃度で安全でも気になる!
そんな方は、洗って食べれば気に心配ありません。
また、農薬以外にも虫だったり、手元に届く過程で何かしらの汚れが付いている可能性もあるので、衛生を保つ為にも洗ってから食べて下さい。
梨の皮の洗い方・手順
梨を傷めず、上手く洗う方法を幾つか紹介します。
流水で洗う
梨の皮を洗う時は、水を流したまま洗います。流水の状態でスポンジで洗って下さい。
この時、強く擦ると梨が傷付いて傷むので、撫でるような感じで優しく擦って洗って下さい。
野菜専用の洗剤を併用すると確実です。
塩で洗う
皮がザラつく量の塩をかけ、表面を擦ります。
そうすると、滑りが出るので、それらを水で洗い流して下さい。
重曹で洗う
水を張ったボールに重曹をひとつまみ入れ、その中に梨を3分位浸けます。
浸けたら、スポンジで擦りながら流水で洗って下さい。
動画で洗い方を解説!
説明じゃ解りにくい!そんな時は上の動画を参考にしてみて下さい。動画はレモンの皮の洗い方となっていますが、要領は同じです。
梨の栄養・カロリー【果肉部分】
梨の皮の栄養は前述しましたが、ここでは梨の果肉の部分の栄養について解説します。
その前に1つ解説すると、梨の殆んどが水分でできています。
およそ90%が水分とされており、品種によって若干異なりますが、大体は同じくらいです。
水分補給にもなります。
じゃあ、残りの約10%は何が含まれているのでしょうか?
梨は水分の他に、以下の栄養素が含まれています。
糖分
梨を味わうのに欠かせない栄養素ですね。
果糖やショ糖はもちろん、梨にはソルビトールという種類の糖分が他の果物より多く含まれています。
ソルビトールは他の糖分より血糖値の上昇が低く、低カロリー甘味料として好まれています。
清涼剤として、飴やガムに使われている場合が多いです。
プロテアーゼ
たんぱく質を分解して、肉や魚を柔らかくする酵素です。
ゼラチンが固まりにくくなる成分です。
酸味成分
リンゴ酸、クエン酸、酒石酸が梨の酸味の素になっています。リンゴ酸とクエン酸の方が多めです。
食物繊維
梨のシャリシャリした食感の素になっている、石細胞として多く含まれています。
カロリー
梨のカロリーは可食部(皮なし)100gで約48kcalとなっています。
普通サイズの梨1玉が200g~300gと言われているので、1玉食べたら96kcal~144kcalとなります。
食物繊維が多く満足感も高い梨は、通常のスナック菓子に比べてずっとカロリーが低いので、おやつとしても最適です。
梨の効果・効能
デトックス効果
梨には腸の蠕動運動を活発にして、食べ物の消化や吸収を促してくれます。
なので、腸内環境を整えて、お通じの改善に役立ちます。
この役目は、食感の素である食物繊維、ソルビトール、プロテアーゼが担ってくれます。特に食物繊維は、排出時に糖分も一緒に巻き込んで血糖値の上昇抑制にも効果があります。
また、実にも含まれているカリウムが、老廃物や余分な水分を排出してむくみの解消にも効果があります。
風邪予防
疲労回復や解熱に効果的なアスパラギン酸に加え、豊富に含まれている水分が、暑さで上昇した体温を下げてくれます。
そして、甘み成分であるソルビトールには、喉の炎症を抑制する効果もあります。
おすすめの梨の皮の食べ方は?
梨スティックにする
作り方は簡単!
よく洗ったら、梨を縦切りにしていくだけです!
スムージーにする
皮を剥かずにカットするだけでは抵抗がある場合は、ミキサーなどで撹拌してジュースや、好みの材料を混ぜてスムージーにして食べるのがおすすめです。
ミキサーなどにかければ、皮の食感が崩れるので摂取しやすくなります。
加熱して食べる
スムージーやジュースにしてもやはり生では抵抗がある、という場合は加熱して食べるのがおすすめです。
加熱すると、皮が柔らかくなるので、硬さや食感が気にならなくなります。
砂糖と一緒に煮てジャムやコンポートにしたり、梨をトースターで焼いて梨トーストにするという食べ方もあります。
また、解熱作用や整腸作用が強い梨は、冷え性や胃腸が弱い人は少し食べ過ぎるとお腹を壊すという人も居ると思います。
そんな方に、加熱して食べて下さい。
加熱すると、体が冷えにくくなる上に食物繊維も柔らかくなるので、冷え性や胃腸の弱い人でも食べやすくなります。
【おいしい梨の見分け方】表面を見て判断するには?
模様の間隔が広くて少ない
梨の皮には点のような模様がありますよね。
あの点は、水分が蒸発して出ていく穴だと言われています。
その為、点の間隔が狭くて多い梨は、水分が抜けてパサパサしている可能性があります。
表面がツルツルしている
ザラザラしている場合、まだ熟し切っていない可能性があります。
適度に色が変化している
赤梨は適度に赤いのを、青梨は適度に黄色っぽく色が変わったのを選びます。
また、なるべく色むらの少ない梨を選んで下さい。
その他に注目する点
見た目や表面の状態だけでも梨の美味しさは見分けられますが、実は他にも美味しい梨を見分ける方法があります。
お尻の部分
お尻がどっしりしている梨を選びます。
梨の甘みは枝の周辺よりお尻の部分です。
お尻が大きければ、甘みが強い可能性があります。
重さ
手に取ってみて、ずっしりと重い梨は実が詰まっている証です。
梨に関するよくある質問
皮ごと食べられる梨の品種は?
スーパー・八百屋さんで売っている梨は基本的に皮ごと食べれますが、皮ごと食べることを前提で育てられている梨もあります。
- オーロラ
- バートレット
- ル・レクチェ
- コミス
といった品種は、皮も美味しくいただけます!
梨は追熟しない
バナナやキウイフルーツなど、まだ未熟でも時間を置けば食べ頃になる果物があると思います。
しかし、梨は時間を置いたら食べ頃になる果物ではありません。
もぎ取ったら、その状態のまま変わりません。
追熟して甘くなったりはしないので、注意して下さい。
梨の歴史は?
歴史は長い
梨は日本で古くから食べられている果物で、弥生時代には既に食べられていたのではないかと言われています。
『日本書紀』によると奈良時代では既に栽培も始まっていましたが、技術が向上したのは江戸時代だそうです。
江戸時代の梨は現在の物と違い、酸味の方が強く、シャキシャキした食感だったそうです。
現在のようにシャリシャリと甘みの強い梨は、明治時代以降から栽培されるようになったと言われています。
大きく分けて梨は3品種
現在、梨と呼ばれて親しまれているのは中国梨、西洋梨とも言われるラ・フランス、そして和梨とも言われる日本梨の3種類あります。
日本で出回っている梨の8割は日本梨です。また、日本梨でも大きく2つに分けられます。
豊水や幸水、新興のように皮が褐色の赤梨。二十世紀梨、二十一世紀梨、菊水のように皮が黄緑色の青梨に分けられます。
総品種数は定かではないようですが、江戸時代の時点で150種はあったのではないかと言われています。
現在は幸水、豊水、新高、二十世紀梨が収穫量の9割を占めています。
【まとめ】梨は皮ごと食べるのがおすすめ!
梨は皮ごと食べられるのか、そのメリットなどについて解説しました。
梨の皮は栄養満点なので、皮ごと食べるのがおすすめです!
ただ、農薬が気になる方もいらっしゃるかと思いますので、そういった際は本記事にある解説を参考によく洗ってから食べるようにしてください。
健康・美容にも良い梨、皮ごと美味しくいただきましょう!
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