ハマチは出世魚?イナダとブリとの関係や名前の変化の順番、生態も

ハマチは、ブリの成長過程の若魚の呼び名で地域によって養殖のブリをハマチと呼んでいます☆イナダもブリの若魚の呼び名ですがブリとは獲れる時期やが違い、同じ魚と思えない程味や身質も違います。出世魚には、スズキ、ボラ、コノシロ等の魚があり成長により呼び名が変わる魚です。

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ハマチは出世魚!名前の変化の順番は?


出典:http://ur0.work/Lt2d
画像で判る様に、ハマチは出世魚なのですが、正確には
出世魚ブリの、出世途中の呼び名と言う事に成ります。

同じ大きさの時期でも、複数の呼び名に為っているのは、
地域での呼び名がある為です。

ハマチは出世出典:http://urx.blue/LtbX

ハマチは、
関東、三陸では養殖のブリの事を指して、ハマチと呼び
市場に出始めるサイズ、ブリの若魚イナダは天然物の
呼び名で、同サイズの養殖はハマチと呼ばれています。

関西以西の地域では、天然ハマチ、養殖ハマチとして
区別されています。

本来、成長過程の区別をする為に呼ばれていた名前が
関東、三陸では養殖と天然の区別をする為に用いられて
要る事に成り、ハマチの呼び名は地域によって判断する
必要がある様です。
また、出世魚の名前は、成魚の名前で使われる事が多く
成長段階での名前は、統一されて無く地方によって違い
全国的に考えると、「ハマチは出世魚」とすると難しい
と思います。

出世魚ってなに?出世魚と言われる理由


出典:http://www.burikama.com/
よく耳にするのが、成長により名前が変わる魚の事で
古来、武士や学者が、元服や出世の際に名前を変えた
事に由来していると、言われています。

但し、成長によって名前が変わる魚は沢山あり、単に
成長により名前が変わる魚が出世魚と、されていない
様です。

例えば、本鮪も成長により呼び名が変わりますが
出世魚とはされていません。
本鮪は、ヨコワ、メジ、ヒッサゲ、シビ、クロシビと
呼び名が変わりますが「シビ」と呼ばれて「死日」に
繋がる事や、冷蔵技術が無かった時代に変色が激しく
日持ちがしなかった事から、「持ちが悪い魚」「日持
ちがしない」、縁起が悪い魚とされた事から出世魚と
成ら無かった様です。

縁起が良いだけでも、出世魚とは言えない様です!
縁起の良い魚の代表として真鯛が有りますが、祝い事に
欠かせない魚で、成長に伴い名前が変わり、小さい物を
関西はチャリコ(2歳前後)、関東はカズコ(2~3歳前後)
地方によりバラ、タイゴ、シバダイと呼ばれ、その後は
真鯛と呼ばれますが、出世魚とされていません。
昔から日本では、高級魚で「魚の王様」として扱われ
庶民は、よほどの祝い事の時しかお目にかかれない魚で
成長過程で1回程度しか改名が無い等の事から出世魚とは
されていないのかも知れません。(^-^;

ハマチは、成長の度合いによって、それぞれの成長時期で
味や身質が変化し美味しく成っていきます。
見た目が同じでも、大きさが異なり、味や身質が違う魚を
同じ呼び名にすると、食べる時に混乱してしまいます。
「同じハマチなのに味や触感が違う?」( ゚Д゚)
そんな事態を避ける為にも、成長過程の呼び名を変える
必要があったと伝えられています。

内容をまとめてみると、出世魚とは下記の様な条件をに
成ります。

  1. 成長過程で名前が変わる魚
  2. 日持ちが良い魚
  3. 出世する回数(改名)が多い魚
  4. 成長するにつれて、味や身質が変わり
    美味しくなる魚
  5. 庶民的な魚で、段階を経て立派に美味しく
    成長する魚

以上5つの条件を満たす、魚が出世魚とされると
考えられると思われます。
成長するに従って、味や身質が落ちたり、獲れても
持ちが悪く、美味しく無くなったりして、人気や
評価が悪く成る様では、出世したとは、
言え無い様です。(*^^)

出世魚はなぜ縁起が良い?


出典:http://urx.blue/Ltql

江戸時代まで、武士や学者が元服や出世により
改名した事に因んで、成長し名前が変わるので
縁起が良いとされています。

イナダやブリもハマチ?日本各地の名称と変化の順番

地域 稚魚10㎝未満 幼魚20㎝未満 30㎝未満 40㎝未満 60㎝未満 70㎝未満 80㎝未満 80㎝以上
関東 モジャコ ワカシ ワカシ ワカシ・イナダ イナダ ワサラ ワサラ ブリ
関西 ワカナ ワカナ・ツバス ツバス ハマチ メジロ メジロ ブリ
北陸 ツバス・
ツバイソ
ツバス コズクラ ハマチ フクラギ ガンド・ガンドブリ ブリ ブリ
三陸 コズクラ・ショッコ フクラギ・フクラゲ アオブリ ハナジロ ガンド ブリ ブリ
和歌山 ワカナゴ ツバス・イナダ・イナラ ハマチ メジロ ブリ オオイオ ブリ
島根 モジャッコ ショウジンゴ・ツバス・ワカナ ハマチ・ヤズ メジ マルゴ ブリ ブリ
香川 モジャコ ツバス ハマチ メジロ ブリ ブリ
高知 モジャコ ワカナゴ・モジャコ ハマチ メジロ オオイオ スズイナ ブリ
九州北部 モジャコ ワカナゴ・ヤズ ハマチ メジロ ブリ ブリ

地域での呼び名とサイズを一覧表にしてみました。
関東と三陸では、「ハマチ」の呼び名が無いのは、 養殖の
ブリを「ハマチ」と呼び、天然ブリと区別している為です。

養殖ハマチの発祥地の香川から、関西の呼び名の ハマチで
関東方面に出荷し、同じ大きさでイナダと区別する為に、
「ハマチ」は養殖のブリの「イナダ」サイズを指しイナダは
天然という習慣が定着したとされています。

成長による名前の順番

    • 稚魚 モジャゴ
      羽化後の稚魚の時期は、流れ藻に着いている事から藻に着く
      雑魚「藻雑魚」からモジャコと呼ばれ、プランクトンや小型
      甲殻類を主な餌としています。
    • 幼魚 ワカシ、ワカナギ 15㎝~30㎝未満
      夏の時期になると、流れ藻から沿岸部に生息するようになり
      イワシ類の幼魚が餌と成ります。
    • イナダ、フクラギ 30㎝~60㎝未満
      外洋で回遊する様に成り、餌もイワシやアジ、イカ等の
      頭足類を食べる様になり、この大きさから、市場に流通
      する様に成り、地域によりハマチとして呼ばれています。
    • ワラサ、ハマチ、メジロ 60㎝~80㎝未満
      季節によって生息域を変え、回遊域も広範囲と成ります。
    • ブリ 80㎝以上
      春から夏は、沿岸域を北上し初冬から春にかけて沖合を
      南下する回遊をしています。

ブリとカンパチの違いに関しても別記事で詳しくご紹介しています☆
カンパチとブリの違い! 見分け方や出世魚か、値段・味・旬等は違う?

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ハマチの特徴や生態


出典:http://urx.blue/Lts9

ハマチの特徴は、背は緑色、腹は白色で、口先から尻尾まで
体側面に黄色い線が在るのが特徴です。
生態は孵化後、黒潮に乗り九州や四国付近まで流れて
切れ藻に付いて棲家とし、北上し南九州付近から、黒潮の
本流(太平洋側)と対馬海流(日本海側)別れて、成長していき
10㎝程に成ると切れ藻から離れ、沿岸の浅瀬で魚食性となり
内湾、内海で2歳頃まで、その場に生息します。
3歳で成熟し夏は北海道まで北上し、秋頃に産卵場に向けて
南下して行きます。
40㎝程に成長しイナダ、ハマチ、フクラギと呼ばれる
サイズに成長し、密度の濃ゆい密集した帯状の群れを作り
南北の回遊します。
この群れは、殆どが同じサイズで形成され、メジロサイズや
ブリサイズの物が、一緒に行動する事は、殆どありません。

ハマチの旬に関しては別記事で詳しくご紹介しています☆↓↓↓

ハマチは生後2~3年ごろ


出典:http://u0u0.net/Lu167

天然のハマチは、1歳で35㎝~40㎝、2歳で60㎝前後、3歳で
75㎝前後、4歳で80㎝前後のサイズになり、成魚で115㎝前後
体重17㎏前後と成ります。

ハマチは日本全国に分布


出典:http://u0u0.net/Lu3D
ハマチの分布は、黒潮本流と対馬海流に関係が深く
画像の青い線が海流を示し、赤い部分がハマチの
生息域と成っています。

ハマチは小魚を主に主食とする魚

小魚を捕食し、アジやイワシ、イカ等の頭足類を
主食としています。

ハマチ以外の出世魚は?


出典:http://u0u0.net/Lu53 資料元 財団法人水産物市場改善協会

代表的な出世魚として、鱸、鯔、鮗があり

    • スズキ(鱸)  こっぱ→でき→せいご→ふっこ→すずき→おおたろう
    • (鯔)     はく→おぼっこ→すばしり→いな→ぼら→とど
  • コノシロ(鮗) しんこ→こはだ→ながつみ→このしろ

※コノシロは出世魚としない考えもある様です。
コノシロは、小骨が多く小骨の柔らかい時期のコハダの
サイズが重宝され、成魚と成ったコノシロは小骨が硬く、
余り人気のない魚とされた事からかも知れません。
味は成長するにつれて美味しくなるのですが ^-^;
成長に従って名前が変わっても出世魚とされない魚も
沢山有ります。

  • マグロ 東京:こめじ→めじ→まぐろ→おおまぐろ
    高知:しんまえ→よこわ→こびん→まぐろ
  • 鮎  ひ(う)お [琵琶湖]→あゆ→さびあゆ
  • 鮭  北海道:ぎんけ→ときしらず→けいじ→めぢか→
    ぶな→ほっちゃれ
  • 鰻(ウナギ) しらすうなぎ→めそ→うなぎ

参考資料:新釈 魚名考.青銅企画出版・おもしろいサカナの雑学辞典・日本魚類学会(編)・日本産魚名大辞典

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成長に伴い、名前が変わるだけでは、出世魚と呼ばれて無い事を理解して頂けたらと思います☆
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