夏野菜の代表的存在であるきゅうり。
もちろん夏だけでなく、一年中冷蔵庫にあるという人も多いですよね。
そんな料理に大活躍のきゅうりですが、「いざ調理しようと切ってみたら中が赤くなっていた」ということありませんか?
「腐ってしまったのかな?もう食べられないのかな?」と、諦めて捨てていた人もいるでしょう。
そこで今回は、なぜきゅうりの中身が赤く変色してしまうのか、食べることはできないのかをご紹介していきます。
鮮度を長く保つ方法も一緒に紹介していくので、参考にしてみてくださいね。
もくじ
きゅうりの中身が赤い原因はなに?
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きゅうりの中身が赤い原因と、赤以外にも茶色に変色した場合の原因もご紹介していきましょう。
きゅうりの中身が赤い場合は凍傷による劣化
きゅうりの中身が赤いのは、長期間冷蔵庫などの低温度の場所で保管し、きゅうりが凍傷状態になったからです。
きゅうりの中身は95%が水分でできています。
その水分が低温の影響を受けて、きゅうりの繊維が劣化することで赤く変色するのです。
きゅうりの保存に適した温度は10℃~15度であり、冷蔵庫の中は5℃とされています。
人間も、冷たい水にずっと手を入れていると凍傷になってしまいますよね?
きゅうりも冷えすぎた冷蔵庫の中で凍傷状態になり、赤く変色してしまうのです。
きゅうりの中身が茶色っぽい赤色の場合は熟している
きゅうりの中身が茶色っぽい赤色をしている場合は、熟している可能性が高いです。
買ってきたばかりのきゅうりを料理に使おうとしたら、中が茶色っぽい赤に変色していたことありませんか?
その場合、傷んだきゅうりを買ってしまったのかとショックを受けますよね。
しかし茶色っぽい赤に変色しているのは、実は傷んでいるわけでなく、栽培の段階で正常に育たず熟してしまったからなのです。
きゅうりはおおよそ、25℃~30℃前後で栽培されています。
しかし、なにかしらの理由で7℃以下の低温で育てられると、大きなきゅうりに育たず中身だけが熟すのです。
よって、栽培の段階で熟してしまうと、中身が茶色っぽい赤になることがあります。
きゅうりの中身が茶色の場合は腐りかけている
きゅうりの中身が茶色に変色している場合は、熟しすぎているか腐りかけています。
きゅうりの見た目に変化がなくても、中身は劣化が進んでいる状態か、細菌によって変色している場合もあります。
きゅうりの中身が赤い場合は食べても大丈夫?
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きゅうりの中身が赤いのは、きゅうりが凍傷状態にあるからです。
じゃあ凍傷になってしまったきゅうりは食べることができないのでしょうか。
赤い場合は食べることはできる
きゅりの中身が赤い場合は、食べることができます。
しかし劣化が進み、新鮮なきゅうりに比べて渋みや苦みが出て美味しいとは言えないです。
そして、水分が抜けたような食感になるので、サラダなどの生食には向きません。
中身が赤くなってしまったきゅうりは、加熱調理するか漬物にするなど加工して、早めに食べきりましょう。
茶色の場合は食べてはいけない
きゅうりの中身が茶色の場合は劣化しているので、食べてはいけません。
赤い変色よりもさらに熟している場合が多く、より渋みや苦みを強く感じます。
また、買ってから日が経っていると、すでに腐っている可能性もがあり、食中毒の原因になるので食べずに捨てましょう。
傷んでいるきゅうりの特徴
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うっかり冷蔵庫に長い期間保存していたけど、このきゅうりって食べても大丈夫かな?と不安に思うことありますよね。
そこで、きゅうりが傷んだ場合の特徴をご紹介していきましょう。
きゅうりの中身が変色している
きゅうりの中身が赤や茶色以外にも、白く変色している場合があります。
この場合は、水分が抜けて乾燥している可能性が高いです。
中身が白い状態は、きゅうり本来のみずみずしさが失われ美味しくないだけでなく、細菌や微生物が繁殖している場合もあるので、注意が必要です。
異臭やカビ、茶色に変色するなど他の変化がなかったとしても、食べるのは控えましょう。
カビが生えている
冷蔵庫で保存していたのに、白いカビが生えていたときは傷んでいるので捨てましょう。
カビが生えた野菜を食べてしまうと、食中毒だけでなくカビ中毒やガンを引き起こすともいわれています。
カビ毒の多くは喫食後直ちに嘔吐や下痢を起こすような急性の中毒が少なく、長期間連続して摂取しなければ大きな障害を起こさない場合が多い
カビ毒は長期間摂取することにより肝障害、腎障害、消化器系障害などを起こします。
アフラトキシンは天然物質の中で最も発がん性が強いことと、世界的に農産物への汚染が広く発生していることから最も注意が必要なカビ毒
カビは熱に弱く加熱することで死滅しますが、カビによって発生した毒は加熱しても死滅しません。
食べてしまうと、体調を崩したり食中毒になったりと、健康被害を及ぼす可能性があるので、食べないで捨てましょう。
白っぽい液体が出てヌメリがある
きゅうりが腐ると、白っぽく濁った液体が出てきます。
また、きゅうりの表面がブヨブヨしてハリがなく、糸をひくようなヌメリがでている場合は、かなり腐敗が進行しているといえるでしょう。
この状態は、きゅうりの実の中で細菌や微生物が繁殖しているので食べるのは危険です。
絶対に食べず、捨てましょう。
異臭がする
きゅうりが腐ると、ツンと鼻につくような酸っぱい匂いがします。
普通のきゅうりにはない匂いなので、比べるとすぐにわかるでしょう。
きゅうりの見た目が普通でも、いつもと違う匂いがすると感じた場合は、腐っている可能性が高いので食べないようにしましょう。
鮮度の良いきゅうりの見分け方
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お店に並んでいるきゅうりを買うとき、なんとなくで選んでいませんか?
買うなら美味しいきゅうりを買いたいですよね。
そこで、鮮度の良いきゅうりの選び方をご紹介していきます。
お店で買うときの参考にしてみてくださいね。
触って確かめる
鮮度の良いきゅうりの見分け方として、まず実際に触ってみましょう。
手に取って比べると、鮮度の良いものとそうでないものの違いがはっきりわかります。
- ずっしりとした重みがある
- 痛いくらいトゲがしっかりしている
きゅうりのほとんどは水分でできているので、鮮度が高いほど多くの水分を含んでいます。
従って、鮮度の良いきゅうりほど重みが増すのです。
見た目が同じくらいのサイズでも、実際持ってみたら重さが違う場合があるので、お店にいった際試してみてはいかがでしょうか。
もう1つの方法としては、きゅうり表面のトゲを触ってみることです。
品種によりますが、お店に並んでいるきゅうりのほとんどは、表面にボツボツとしたトゲがありますよね。
このトゲは、鮮度が良いほど鋭くなっています。
触ってみて、トゲが痛く感じるくらいが鮮度の良いきゅうりと言えるでしょう。
見た目で確かめる
触って確かめる以外にも、見た目だけで鮮度を確認する方法があります。
きゅうりが袋にはいっていて、実際に触ることができない場合に試してみてくださいね。
- 全体的にハリがある
- 全体的につやがある
- 太さが均一である
- ヘタがみずみずしく硬い
- 白い粉のようなものが表面についている
きゅうりは新鮮なものほど水分が多いので、全体的にハリがありつやつやと輝いています。
そして、ヘタの部分からおしりの先まで太さが均一なほど、栄養や水分量が偏っていない美味しいきゅうりなのです。
きゅうりはヘタの部分から水分が蒸発していきます。
従って、ヘタの部分がみずみずしく硬いものは鮮度が高いといえるでしょう。
反対に、ヘタの部分が萎れているものは、きゅうりの水分が蒸発している可能性があるので、鮮度が落ち食感が悪くなっているかもしれません。
お店できゅうりを買うときに、きゅうりの表面に白い粉のようなものが付着したものをみたことありませんか?
その白い粉はカビではなく、新鮮なきゅうりにのみ付着しているブルームと呼ばれるものです。
このブルームは、ついていればついているほど新鮮で美味しいきゅうりの証になります。
お店でこのブルームがついたきゅうりに巡り合えたらぜひ買ってみてくださいね。
きゅうりの鮮度を保つには?保存方法をご紹介
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水分が多いきゅうりは保存が難しく、傷みやすいですよね。
しかしちょっとしたコツで鮮度を保つことができます。
簡単な方法なので、ぜひ試してみましょう。
冷蔵保存
多くの人は、きゅうりを冷蔵庫で保存しますよね。
しかし冷蔵庫に保存する場合も、入れ方によっては美味しく食べられる期間が変わってくるのです。
- 冷蔵庫に袋のまま寝かせて保存→3日程度
- 冷蔵庫に袋のまま立てて保存→寝かせて入れるより1日程度伸びる
- 野菜室に袋のまま寝かせて保存→3日程度
- 野菜室に袋から出して立てて保存→新鮮なもので10日程度
きゅうりを、買ってきた袋の状態のまま寝かせて保存した場合の保存期間は、おおよそ3日ほどになります。
しかし、きゅうりをたてて保存するだけでより鮮度を保てるのです。
きゅうりは上に伸びて育つ野菜であり、その習性を利用して牛乳パックの空やコップなどに立てて保存することで、きゅうりにストレスがかからず美味しい状態を保てます。
冷蔵庫と野菜室が分かれている場合、野菜室は冷蔵庫に比べ温度が1℃~3℃高いので、保存できる期間も変わってきます。
冷蔵庫で袋に入れたまま寝かせて保存した場合と、野菜室で袋に入れたまま寝かせて保存した場合とでは、保存期間はあまり変わりません。
しかし、野菜室に袋から取り出して立てて保存した場合は、新鮮なきゅうりで10日程度保存が可能になります。
きゅうりを袋に入れたままにしていると、きゅうりから蒸発した水分が袋に付着し、その水分がきゅうりの表面につくことで、そこから腐りやすくなっていくのです。
そのため、冷蔵保存する場合は、野菜室に袋から出した状態で立てて保存するのが1番鮮度を長く保つことができます。
きゅうりの鮮度をより保つために特別な道具は必要ないので、きゅうりを買ってきたときに試してみてくださいね。
しかし、買ってきた段階で低温障害を起こしていたり、少し鮮度が落ちていたりする場合もあります。
美味しく食べるには、賞味期限にかかわらず、早めに食べきるようにしましょう。
冷凍保存
きゅうりは冷凍保存も可能です。
あまり聞きなれないかもしれませんが、冷凍で保存することで約1か月程度保存ができます。
- きゅりを薄い輪切りにする
- 輪切りにしたきゅうりをボウルに入れて、塩少々加えて揉みこむ
- 5分ほどおいて、くたっとしたら手で水気を絞る
- 小分けにしてラップで包む
- ジップロックなどに入れて冷凍保存
しかし冷凍保存すると、きゅうりに含まれている水分が凍るので、解凍した時にきゅうり本来のシャキシャキした食感は失われます。
そのため、そのまま食べるより、酢の物にしたりポテトサラダにいれたりすると良いでしょう。
大量にきゅうりが手に入ったら、余った分は冷凍保存することで腐る心配がなく、さらに時短で料理に使うこともできるので便利ですよ。
漬物にして保存
きゅうりを浅漬けやぬか漬けにした場合は、賞味期限は2日から3日程度です。
漬物をして長い期間保存する場合には、塩分濃度を高くする必要があります。
塩分濃度が高い漬物では1か月程度保存が可能になりますが、その分食べる時にしょっぱく感じるため、食べる前には塩を洗い流す必要があります。
まとめ
きゅうりの中身が赤く変色するのは、低温状態で長い期間保管することできゅうりが凍傷状態になるからです。
中身が赤く変色していても食べられますが、新鮮なきゅうりに比べると味や食感は劣ります。
また、保存方法によってもきゅうりの賞味期限は変わってきます。
保存状態・保存方法に注意して、新鮮なうちに美味しく食べきりましょう。