冷凍エビは日々の献立に頭を悩ましている主婦の強い味方ですが、解凍作業は煩わしいですよね。
上手く使えば、料理に幅が出ますが、そのまま使えると思っておられる方も多いです。
今回は、冷凍エビを解凍しないで料理出来る?手軽でおいしい解凍・下処理方法は?という疑問にお答えします。
もくじ
冷凍エビは解凍しないとダメ?その理由とは
出典:https://tokubai.co.jp/news/articles/3594
一般的に、冷凍エビは解凍が必要です。
しかし、なぜ解凍しないといけないのでしょうか?
その理由について解説していきます。
理由①背ワタの除去
冷凍エビは背ワタの除去が必要なので、解凍しなければなりません。
エビの背ワタを除去しないといけない理由は、食感がジャリジャリして、生臭いにおいを強く感じてしまうからです。
背ワタはエビの腸管のことで、ここに詰まっているはエビが消化中のものです。
その為、エビの下ごしらえは生であっても背ワタを取り除いて調理してください。
冷凍エビが未加工のものなら、背ワタを取り除くために解凍が必要です。
一方、加工されている剝きエビは、一般的に背ワタが取り除かれていますが、一部背ワタを取り損ねているものもあります。
剥きエビであっても背ワタが気になるなら、解凍して背ワタを確認してください。。
理由②エビの臭い
冷凍エビから出る臭いが理由で、解凍が必要となります。
殻付きエビが臭う原因
殻付き冷凍エビが臭う理由は、養殖場の環境やエビの鮮度によるものです。
冷凍エビの養殖場の多くは海外にあり、養殖場の環境が悪い地域も。
そのため養殖場の臭いが、エビに残っていることがあります。
エビの鮮度は、加工するまでの時間が命です。
鮮度が落ちてから冷凍されたエビは、臭いがします。
これらの臭いは、解凍した時のドリップ(解凍した時に出る水)に多く含まれ、ドリップを洗い流すと臭いは消えます。
おいしくエビを食べたいなら、解凍して臭いの原因であるドリップを除去しましょう。
剥きエビが臭う原因
剥きエビが臭うのは、養殖場の環境や鮮度の問題の他に、添加物が原因です。
剥きエビの添加物には、pH調整剤やリン酸塩、亜硫酸なトリムが使われており、エビのプリプリ感を保つ保水性や細菌の増殖を抑える目的で使われます。
解凍しないまま剥きエビを使うと、添加物が残っているので臭いに違和感が。
臭いの原因である添加物は、解凍時に出るドリップに含まれす。
そのため剥きエビも、解凍してから使用しなければなりません。
冷凍エビの解凍方法
出典:https://tsukiji-morisho.jp/publics/index/23/
冷凍エビは解凍しないといけない理由は、「背ワタの除去」と「エビの臭い」でした。
では、おいしくいただくためには解凍方法が肝心です。
目的の調理方法に合った解凍方法があるので、作りたい料理をイメージに合わせてみてください。
塩水解凍をする
塩水解凍の方法は次の通りです。
- 塩分濃度3%の塩水を作る(塩30gに水1リットルを加えると塩分濃度3%)
- 冷凍エビを3%の塩水に入れる
- エビが解けたら塩水から出す
真水は解凍する時にエビの旨味も流れてしまいますが、塩水にすると旨味はそのままエビの中に留まります。
塩水解凍は、塩味がエビの身の中までしみるので、サラダ用途や炒め物に適しています。
エビ以外の魚介類でも、この方法は効果的なのでおすすめです。
流水解凍をする
- 冷凍エビを水の入らない袋に入れる
- ボールに水を張り、流水をチョロチョロと流して冷凍エビの入った袋に当てる
刺身のような料理は、流水解凍が適しています。
流水解凍のメリットは解凍の速さですが、デメリットはドリップが多めに出る事です。
氷水で解凍する
冷凍エビを水の入らない袋に入れて、氷水に漬けておくだけです。
この方法は流水解凍に比べ、ドリップの発生は少なく抑えらる方法です。
ドリップは臭みを出してくれますが、細胞内にある旨味も流れ出てしまいます。
氷水解凍ならドリップが少ないので、旨味もたっぷりでおいしくいただけます。
この方法はNHKの「ためしてガッテン」というTV番組でおすすめされていました。
氷水解凍は、刺身用に適した解凍方法です。
重曹で解凍する
重曹はさまざまな用途がありますが、エビの解凍にも使えます。
- 重曹と塩、各大さじ1杯を準備
- 水500mLを加えて解凍液を作る
- 解凍液に冷凍エビを入れて溶けるまで待つ
- エビが解けたら水洗いをして重曹を落とす
重曹のアルカリ成分が、エビの表面の蛋白質と結合し、プリっとした触感に変わります。
エビのプリプリした触感を味わいたいサラダ料理などに使える方法です。
きれいに洗わないと、重曹のエグ味が残るので、水洗いは丁寧に行いましょう。
冷凍エビ 調理前の下処理方法
出典:https://milkmydog.exblog.jp/23141173/
冷凍エビをよりおいしくいただくには、もうひと手間の下処理があります。
調理前の下処理は、料理の成功を左右するものです。
料理によって適切な下処理方法を選んで試してみてくださいね。
背ワタを取る
解凍処理をしたエビの背ワタを取ります。
爪楊枝などで背ワタをひっかけて取り除きます。
また、途中でちぎれた場合でも、きれいに取り除きましょう。
背ワタを取った後は軽く水洗いをします。
背ワタはエビの腸管で生臭い原因になるので、きちんと処理しなければなりません。
この作業は冷凍エビに限らず、生エビでも同様に重要な下処理です。
料理酒で臭みを取る
- 背ワタ処理したエビを準備
- 料理酒などを全体に振りかける
- 手で軽く揉む
- 水で洗う
におい消しにお酒は効果的です。
日本酒は魚介類との相性が良く、エビだけではなく、さまざまな食材で使えます。
日本酒以外では、白ワインや紹興酒なども臭みを取り、下味になります。
片栗粉で臭みを取る
- 背ワタ処理をしたエビを準備
- 水で洗い軽く水気を取る
- 片栗粉を全体にまぶす
- 手で軽く揉む
- 水洗いをしてキッチンペーパーなどで拭く
片栗粉はエビに残った臭いと、ぬめりを取り除いてくれます。
エビチリなど加熱調理する調理におすすめの方法です。
水気を切る
下処理した後は、ペーパータオル等で水気や汚れを取ってください。
水気が残ると、その後の料理の味が薄くなります。
またエビの水気には、汚れやドロップなど生臭い原因になるものが付着しています。
冷凍エビを解凍しないで料理する方法
出典:https://www.ichi-oshi.jp/articles/limited/6851
冷凍エビは解凍して下処理することが、必要です。
しかし料理する時間が限られていたり、解凍を忘れていたりすることがありますよね。
そんなときに役立つ、「冷凍エビを解凍しないで料理する方法」をお伝えします。
添加剤を使っていないボイル済みの冷凍剥きエビを使う
添加物無添加のボイル済みの冷凍剥きエビは解凍しないで使えます。
食塩のみのボイル済み冷凍剝きエビも、そのまま使えるので便利です。
剥きエビは臭いの原因となる背ワタが取り除かれ、ほとんど臭いがしません。
無添加の冷凍エビは、添加物特有の嫌な臭いもありません。
無添加の冷凍エビは、インターネット通販で手に入りやすく、「食品添加物無添加」と表示されています。
しかし安い冷凍剥きエビは添加物が入っているかもしれないので、食品表示をよく確認して購入してください。
解凍と下処理を気にしなくていい、添加物無添加のボイル済み冷凍剥きエビは、忙しい人の味方です。
素揚げは、冷凍のままで出来る王道料理
素揚げは、ほとんど下処理なしで調理が簡単です。
作り方は、熱した油にエビを投入し、エビの色が鮮やかになったタイミングで油から引き揚げます。
油から上げた後、すぐに塩を振ります。
お好みで食べる前にレモンかけると、おいしいですよ。
素揚げは、甘えびや川エビのような小型のエビが向いています。
大きいエビは臭いが少し気になるかもしれませんが、小型のエビなら臭いは気になりません。
ただし、良く揚げておかないと臭みが残るので、ご注意下さい。
まとめ+関連記事
冷凍エビは解凍しないと、おいしい料理が作れません。
理由は背ワタの除去が出来ないことと、臭いが残るからです。
しかし素揚げは解凍せずに調理が出来ます。
冷凍エビは適切に解凍と下処理して、おいしいエビ料理を楽しみましょう。