カンパチは出世魚なの?ハマチ・ブリ・イナダとは違いや、見分け方

カンパチは出世魚なの?成長によって呼び名が変わる魚が出世魚って言うの?

カンパチが出世魚なのか?そもそも出世魚とは?他にもハマチやブリ、イナダとの違いや見分け方もご紹介します!


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カンパチは出世魚ではない?


出典:http://www.padi.co.jp/scuba-diving/columns/familiar-fishes/7/

成長によって呼び名が変わる魚が出世魚とよくいわれているようです。

由来は、昔の人が元服の時や出世に伴い名前を変えていたのに似ていたからです。出世魚と呼ばれている魚は、縁起を担ぎ祝事に用いられています。

ブリや、ボラ、スズキも出世魚と呼ばれています。

成長によって呼び名が変わる理由

成長により呼び名が変わる理由として、大きさ、外観の違いや生息域、生態の変化などで変わる場合、判別をつけるために呼び名を変える必要があったとされています。

成長が早い魚類等、年魚(幼魚)、2年目(若魚)、3年目(成魚)の同じ魚が同時期に漁獲され事がよくあります。

幼魚、若魚、成魚では、身質や味覚も違うので、成魚と同じ名前にした場合の混同を避けるためです。見た目や大きさにより、呼び名を変える必要性があったとされています。

呼び名が変わるのに、出世魚ではない理由

例えば、高級魚のクロマグロも、成長により呼び名が変わります。

幼魚期はヨコ・ヨコワ・メジ、20㎏~40㎏はヒッサゲ・大メジ・チュボウマグロ、大型成魚はクロマグロ・クロシビと、呼ばれていますが
出世魚とはされていません。

冷凍、輸送手段が発達していなかった時代、赤みのマグロは、腐敗が早く下魚とされ「シビ」という呼び名がありました。この「シビ」を漢字にすると「死日」となることが理由で縁起が悪い魚とされ、出世魚と呼ばれていません。

出世魚と呼ばれる理由

保存や輸送手段が発達していなかった時代、ある程度の日持ちがあり 味の変化も少ない魚が、重宝されていた事が、出世魚と呼ばれている理由の一つとして考えられます。

カンパチやブリは、身自体は、白みを帯びていますが、マグロと違い筋肉中のミオグロビン、血液中のヘモグロビンの色素たんぱくの違いで白みを帯びた赤身の魚ですが、色素たんばくの違いで、経時変化による変色が少なく、身質も保たれます。

また、ブリは「寒ブリ」と言われ、寒い時期に脂がのり大きくなるに伴い味が美味しくなる事、スズキは白身の魚で夏から秋が旬の魚、夏場に河川や河口付近で漁獲され、東京湾沿岸でも、多く漁獲されていました。

暑い夏場が旬、東京(江戸)近郊で漁獲され白身で変色が少なく、味覚も変化が少ない、日持ちがいい「もちがいい」とされ縁起を担ぐ江戸庶民
から出世魚と呼ばれたとされています。

一概に、成長するに従って、呼び名が変わる魚が、出世魚とされているのでは無く、成長するに従って、味覚が良くなり、経時変化が少ない魚
保存、輸送の発達していなかった時代から重宝されていた魚が出世魚と呼ばれているようです。

ではこれらを踏まえてカンパチが出世魚ではない理由をみてみましょう。

カンパチは出世魚ではない理由とは?


出典:https://zukan.com/fish/internal4

成長によって呼び名が変わる魚が出世魚ですが、カンパチは呼び名が変わるだけでは出世魚とされず、成長毎に味が美味しくなり、日持ちがいい魚だけでも出世魚にはなれないという事になります。

出世魚と呼ばれている魚は、成魚になった時には、必ず魚偏の付いた漢字があり、成長し成魚に成っても、魚としての字がもらずに魚として認められなかったため、出世が出来なかったのではという考え方もできます。

残念ながら、推測ですが、カンパチは成長により呼び名が変わり、比較的に日持ちが良く重宝されている魚なのに何故か、出世できなかった魚になります。

鰤に酷似し、ヒラマサと言う競争相手もあり、同種にブリという強力なライバルがいた事により、最後に魚片が付かず、ブリの同種で頭に八の字がある魚「間八」赤みのあるブリ「紅鰤魚」とされて出世ができなかったのではないかと思われます。

また、競争相手のヒラマサにも魚偏のついた漢字がありません。

それに、カンパチが出世魚では無い理由として、明治27年から創業されている、近くの鮮魚店の店主に聞いたところ「間八、平政は出世魚
じゃ無いょ!鰤が大将だからね。」という答えが返ってきました。

一番、好まれていた魚、鰤と同種のカンパチ、ヒラマサは、鰤に続く魚とされ、「鰤の旬」まで間の代役として重宝される魚となっている
事も、出世魚としてされていない理由ではないかと思います。

また、魚には、成長や地域により、沢山の呼ばれ方があります。

ハマチ、ブリ、イナダは、上記にも記載していますが、イナダはブリの若魚の時期の呼び名で、ハマチは関東で養殖のブリを指して、ハマチと
呼ばれています。

その呼ばれ方も地方により様々な名前がつけられ、日本近海では北海道の太平洋側から九州南岸、伊豆諸島や小笠原諸島、日本海側の青森から九州沿岸、瀬戸内海、沖縄周辺と、非常に広範囲に生息し、回遊している事から地域毎の呼び名が多く成っています。

また、ブリが旬の時期に「寒ブリ」と呼ばれる事などから、カンパチが「寒八」と勘違いされがちですが、目の上に斜めに走る暗褐色の線が八
の字に見える事から「間八」や「勘八」
と呼ばれています。

ブリもまた、カンパチ同様に、地域により呼び名が違い成長するに伴い名前が変わり、その呼び方も地域によって違います。

カンパチの地域毎の呼び名と、成長時期の呼び名をわかりやすく、説明して行きたいと思います。

また、ブリとの違いも解り易くする為に、地域毎、成長時期の呼び名もご説明して行きます。

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カンパチの地域ごとの呼ばれ方

カンパチの地域ごとの呼ばれ方

  • 東京 カンパ・カンパチ
  • 神奈川 ヒヨ
  • 北陸 アカイオ
  • 和歌山 チギリ
  • 和歌山、高知 アカハナ
  • 香川 アカバネ
  • 関西 九州 アカバナ
  • 宮崎 ニリ
  • 鹿児島 アカバラ・ネリ・ニノコ

カンパチの成長に伴う呼び方

カンパチの大きさ(㎝)関東地方の呼び名関西地方の呼び名
稚魚モジャコ(藻雑魚)モジャコ(藻雑魚)
幼魚ショッパシヲ
35㎝未満ショッコ(汐っ子)シヲ
35㎝~40㎝未満シヲコ(汐子)シヲ
40㎝~60㎝未満 シヲコ(汐子)シヲ
60㎝~80㎝未満アカハナカンパチ
80㎝以上カンパチカンパチ

高知県等は特に呼び方が様々で沢山の呼び名で呼ばれています。

大きさ呼び名呼び名呼び名呼び名呼び名
幼魚アカネイリネイリコカンパチ 
小型魚シヲチギチギリキネイリ 
中型魚アカハタネイリニイリ  
大型魚ガタコシヲシヲソジチギリキ
超大型魚アカハナオーシヲシヲ  

資料 高知の魚名集 著書者 岡林正十郎 リーブル出版

モジャコ(藻雑魚)

ブリの稚魚もモジャコと、呼ばれ、カンパチの稚魚もモジャコと同じく呼ばれています。海上の藻に付いて回遊する事から、藻につく小さい魚(雑魚)から由来し付いた名前です。
養殖用の稚魚として、漁獲されています。

カンパチの若魚・汐っ子(シヨッコ)

市場に出回るサイズとしては、40㎝前後がみかけられ、関東では外房、相模湾、駿河湾で群れを成し、9月の秋を感じさせる魚とされています。
天然の物が見かけられ、コリコリとした歯応えのある食感で、若魚でも、美味しいと言われています。黒潮に乗って、回遊して来ることから、黒潮の申し子(汐)と言われ汐の子、汐っ子(ショッコ)と呼ばれたと言われています。

カンパチ(間八・勘八)

成魚で、関東は80㎝以上、関西は60㎝以上の物をカンパチと言われ6月頃から旬の走りで、8月頃が旬の出盛りとされています。

天然のカンパチの漁獲は、少なく市場では養殖が殆どですが、近年養殖技術が進み、味は天然物と比べても、そん色なく年中美味しい魚として重宝されています。

頭の部分に八の字に似た線が入っている事から間にある八「間八」と名前が付いたとされています。

「勘八」の漢字は、なぜか寿司屋さんで使われる事が多く、人名の勘八から語呂合わせで使われていると言われています。
また、カンパチは魚偏の漢字無く、漢字で書くと、紅鰤魚と書いたりされています。

実は、カンパチには魚偏の漢字がないのです。

ハマチ・ブリ・イナダの呼び方【地域別】

 10㎝未満20㎝未満30㎝未満40㎝未満50㎝未満60㎝未満70㎝未満80㎝未満
関東 ワカシイナダ ワラサ ワラサ ワラサ ブリ
関西 ワカナ ツバス
ワカナ
ツバス ハマチ メジロ メジロ ブリ
北陸 ツバス ツバス コズクラ ハマチ フクラギ ガンド ブリ ブリ
三陸 コズクラ フクラギ アオブリ ハナジロ ガンド ブリ ブリ
和歌山 ワカナゴ ツバス
イナダ
イナラ
ハマチ メジロ ブリ オオイオ ブリ
島根 モジャコ ショウジンゴ ハマチ メジ マルゴ ブリ ブリ
香川 モジャコ モジャコ モジャコ ツバス ハマチ メジロ ブリ ブリ
高知 モジャコ モジャコ
ワカナゴ
モジャコ
ワカナゴ
ハマチ メジロ オオイオ スズイナ ブリ
九州北部 ワカナゴ
ヤズ
ワカナゴ
ヤズ
ハマチ メジロ メジロ ブリ ブリ

このようにブリもカンパチと同様に、成長に伴い呼び名が変わり、地域毎に様々な名前で呼ばれています。

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カンパチとブリの違い!見分け方は?

出典:https://0822kiseki.com/2017/12/04/post-11037/

外観の違いは、カンパチのお腹が銀色に対して、ブリのお腹は白色で九州では、ブリのお腹が白いので「ハラジロ」「シロバラ」カン
パチは「アカハラ」と呼ばれる事もあります。

カンパチの名前の由来である、八の字は画像で見ると

 眉毛の様な黒い太線が見られ、正面から見ると八の字に見えます。ブリの場合は太眉状の線は、見受けられません。

 

カンパチとハマチ・イナダ・ブリ違い

カンパチのイナダと同じ大きさの時期は、ショッコと呼ばれている若魚の時期になります。

イナダは、ブリの若魚の時期の呼び名で、夏が旬とされ味はハマチブリとは違い、脂が少なく比較的淡泊でサッパリとした味覚です。

そして、イナダの大きさで(40㎝程度)出荷される養殖物が少ないく市場に出ているイナダは、ほぼ天然物です。

ハマチは、高知や九州で言うと、イナダの大きさですが関西では50㎝程度カンパチで言うと汐子(ショコ)の時期で成魚少し前の若魚の時期と同じ位となります。天然ハマチの旬は、晩秋から冬の時期になり汐子は秋頃が旬です。

また、ハマチの呼び名は関東では養殖のブリとして天然物と区別する呼び名として用いられています。

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カンパチは出世魚だと言われていないが年中美味しく食べられる貴重な魚【まとめ】

この記事をまとめると

  • カンパチは出世魚だと言われていない
    • 漢字で書くと魚偏がついていない
    • ヒラマサと言う競争相手もあり、同種にブリという強力なライバルがいた
    • ブリの同種で頭に八の字がある魚「間八」と言われていた
    • 赤みのあるブリ「紅鰤魚」と言われていた
    • 「鰤の旬」まで間の代役とされていた
  • カンパチの地域ごとの呼ばれ方
  • カンパチの成長に伴う呼び方
  • ハマチ・ブリ・イナダの呼び方
  • カンパチとブリの違いと見分け方
  • カンパチとハマチ・イナダ・ブリ違い

カンパチは成長過程で呼び名が変わりますが、出世魚ではありません。

また、 出世魚は成魚になったときには、必ず魚偏の付いた漢字がつくと言われていますが、 カンパチは漢字で「間八」や「勘八」と書くので、魚偏がついていません。よって、出世魚には当てはまらないということになります。


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